株式市場オーバーナイト概況(2024年9月20日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●材料銘柄 
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：セクターでは、半導体中心に情報技術が上昇。Advanced Micro Devices(AMD)+5.7%、Nvidia(NVDA)+4.0%、Applied Materials(AMAT)+5.7%でSOX指数は+4.3%。一般消費財・サービスは、Tesla(TSLA)+7.4%。寄り前に決算を発表したレストランのDarden Restaurants(DRI)は、売上が予想を下回ったが、傘下のレストランとフードデリバリーのUber(UBER)との提携が好感され、+8.3%。コミュニケーション・サービスは、Meta Platforms(META)+3.9%、Alphabet(GOOGL)+1.5%。利下げによる景気浮揚期待で資本財・サービスや素材らシクリカルも上昇。一方で、生活必需品や公益、不動産らディフェンシブは軟調となった。

＜US時間外＞

出来高は落ち着いている様子

◇上昇銘柄◇

特に目立ったニュースなし

◇下落銘柄◇

RZNV(ソフトウェア): MicrosoftとBlackRockによるAIインフラへの300億ドル投資を受けてCEOが”迅速に規模を拡大”と表明。立会内で47％の上昇、時間外では8％下落

ARQ(汚染制御機器): 最大547万株（3,300万ドル）のPOを提案

＜日本株ADR＞

総じて上昇

◇上昇銘柄◇

3401(帝人) 酸棗仁(サンソウニン)の全粒粉の投与により、認知症モデルマウスの認知機能が健常マウスと同程度に改善することを新たに発見

6857(アドバンテスト) SOX指数の4％高を材料に上昇

◇下落銘柄◇

5233(太平洋セメ) 2日連続で454,900株のブロックトレード観測

4385(メルカリ) 不信の米国事業を懸念

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・ソフトバンク､OTAでホンダと交渉　制御システム供給

・ENEOS、SAFの環境価値販売　英シェルの基盤活用

・アンモニア発電、韓国が先行へ　丸紅｢燃料の供給検討｣

▼日本証券新聞▼

・地政学リスクで防衛銘柄上昇　三菱重工、IHI系が新型イージス契約

・住友化学　住友ベーク株を一部売却　資産整理の進展を評価

・社長年齢と業績は逆相関　若い企業は相対的に好パフォーマンス　壁は70歳？

▼日刊工業新聞▼

・大日本印刷が幼虫飼育工場　28年度養殖飼料用粉末年1200トン

・セイコーエプソン　デジタル印刷拡充　米ファイアリー買収

・環境インフラ投資促進　経済効果を明示

▼化学工業日報▼

・半導体表面処理剤　東京応化、2㌨採用めど　台湾に専用設備検討　レジストは1.4㌨に

・クラレ、PVA戦略を転換　機能・品質・供給力で勝負　変性品の生産拡充など

・大阪有機化学　化粧品原料　東南ア・インド市場開拓　現地有力商社と協力

▼日経MJ▼

・ファンケル、シナジー100%添加　キリンがTOB成立　豪子会社とアジア開拓　「ポスト池森」確立なるか

・「鬼滅の刃」、インドでも　日本アニメへの関心高まる　ソニーG系、イベントで市場開拓

・BYD、長澤まさみさんCM的中　「認知度2倍」EV受注・来店客も急増

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は、堅調な展開となりそうだ。FOMC通過後の米国株式市場は、昨晩もNYダウが一時、史上最高値を更新するなど、上値を試す動きが続いた。また、為替市場ではドル円が1ドル=142円台で落ち着いた推移となっており、この点も日本株相場の心理的な支えとなろう。一方、来週は自民党総裁選が控えている。直近の報道では石破氏、小泉氏、高市氏が接戦を演じていると報じられている。小泉氏は「刷新感」、高市氏は「アベノミクス継承」との見方から短期的に株式市場はポジティブに反応する可能性がある半面、石破氏は「金融所得課税強化」のイメージからネガティブなインパクトが懸念される。ただ、3氏とも政権運営能力は未知数であり、長期的なインパクトは読みづらい面もある。いずれにせよ、総裁選への不透明感はくすぶることから、来週にかけては様子見ムードが強まることになろう。

〇外需関連セクターの買い戻しが継続する可能性も

FOMCを通過した昨日の日本株相場では、物色面にやや変化が見られた。従前は対ドルでの円高進行に対する警戒感から内需関連セクターが堅調であったが、昨日は利下げに伴う米景気の回復期待を先取りし、海運や輸送用機器など、外需関連セクターの一角にも買い戻しの動きが広がった。米ISM製造業景況指数に目を向けると、同指数は2022年11月に好不況の分かれ目である50を割り込み、それ以降は約2年、低迷が続く。逆説的に言えば、FRBの利下げを追い風に底打ちが近づくとの見方もできよう。米景気動向に対する懸念は依然として根強いが、「その先」を見越して、目先は日本でも外需関連セクターに買い戻しの動きが継続する可能性がありそうだ。

〇東証グロース市場が強い動きに

他方、昨日は東証グロース市場指数が約3.1％上昇した。8月5日の急落以降、3市場の中ではグロース市場指数が大きくアウトパフォームしている。直近のグロース市場の時価総額上位には、トップの九州を地盤に小売店を展開するトライアルHDを筆頭に、内需関連企業が並ぶ。対ドルでの円高警戒感が残る中では、相対的に業績が為替市場の影響を受けづらいグロース市場の一部銘柄への物色が継続することも想定しておきたい。

＜材料銘柄＞

• コマツ (6301): 「アンダーパフォーム」に格下げ－ＢｏｆＡ
• 豊田通商 (8015):「アンダーパフォーム」に格下げ－ＢｏｆＡ
• 日立建機 (6305): 「中立」に格下げ、目標株価は3000円－ＢｏｆＡ
• 塩野義薬 (4507): 抗インフルエンザ薬のゾフルーザ、グローバル第３相臨床試験で主要評価項目を達成
• サッポロＨ(2501): 不動産事業の外部資本導入で提案募集開始
• エムスリー (2413): エランにＴＯＢ、１株1040円－最大約347億円
• リコー (7752): エフィッシモの株持ち分が18.1％に上昇－変更報告
• 富士ソフト (9749): ＫＫＲ、ＴＯＢを２段階に変更－１株8800円は維持
• 浜松ホト (6965): 「イコール・ウエート」に格下げ－モルガンＳ
• メディパル (7459): 「ホールド」に格下げ、目標株価は2800円－ジェフリーズ
• 関西ペ (4613): 「ホールド」に格下げ、目標株価は2700円－CLSA
• ＤＭＧ森精 (6141): 「イコール・ウエート」に格下げ－モルガンＳ
• ペプチＤ (4587): 「アウトパフォーム」に新規格付け－ＳＭＢＣ日興
• ＴＯＹＯタ (5105): 「中立」に格下げ、目標株価は2300円－ＳＭＢＣ日興
• 日本新薬 (4516): 「中立」に新規格付け、目標株価は3500円－ＳＭＢＣ日興
• ネクセラＰ (4565): 「アウトパフォーム」に新規格付け－ＳＭＢＣ日興
• ＲＳＴｅｃ (3445): ソニーＧから中国の光学ピックアップモジュール会社取得
• メック (4971): 「中立」に格下げ－ストーム・リサーチ
• ＵＮＥＸＴ (9418): 動画サービス「Ｍａｘ」を日本で配信へ
• ＳＡＮＫＹ (6417):  ２Ｑ 連 業績予想修正
• 兼松エンジ (6402):  ２Ｑ 単 業績予想修正
• エクセディ (7278): シティインデックスなどの株持ち分が18％に上昇
• ゴールドク (8871): ストラテジックＣの株持ち分が11％に上昇－変更報告
• ミルボン (4919): みさき投資が株５％保有－大量報告

＜本日の予定＞

【国内】

・閣議

・８月の全国消費者物価指数（ＣＰＩ、総務省、８：30）

・対外・対内証券売買契約（週間、財務省、８：50）

・日銀金融政策決定会合の結果発表

・８月の食品スーパー売上高（日本スーパーマーケット協会など、13：00）

・８月の主要コンビニエンスストア売上高（日本フランチャイズチェーン協会、14：00）

・日銀の植田和男総裁が記者会見（15：30）

【海外】

・９月の中国最優遇貸出金利（ＬＰＲ、10：00）

・８月の英小売売上高（15：00）

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞