株式市場オーバーナイト概況(2024年7月22日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●今週の相場
●材料銘柄 
●今週の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：週間ベースではNYダウが+0.7%、S&P500が-2.0%、ナスダック指数が-3.6%だった。主要企業の決算発表を受けて、NYダウは下落して取引を開始。2Qの収益が市場予想を下回ったトラベラーズ（-7.8%）や、2Qのクレジットカード利用額の伸びが減速したアメリカン・エキスプレス（-2.7%）など金融セクターが軟調だった。一方、好決算を発表したインテュイティブサージカル（+9.4%）などヘルスケアセクターが買われるなか、朝方のナスダック指数は買いが優勢。もっともその後は、長期金利が上昇するなか、主要3指数は売りに押される展開に。「世界的なシステム障害で多分野に影響」と伝わったクラウドストライク・ホールディングス（-11.1%）などテクノロジーや、翌週に決算発表を控えたテスラ（-4.0%）など一般消費財セクターが売られた。最終的に主要3指数は下落して取引を終了。個別では、物言う投資家として知られる米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントが株式を相当数取得と伝わったスターバックス（+6.8%）が反発した。

＜US時間外＞

◇上昇銘柄◇

EDAP(医療機器): 子宮内膜症に対するロボットによる高密度焦点式超音波療法の第3相試験の中間結果で、主要評価項目が達成されなかったことを示したと発表

◇下落銘柄◇

ANGO(インフラ建設):  4Q決算の調整後1株当たり損失を6セントと報告、前年同期の調整後1株当たり利益(EPS)は2セント

＜日本株ADR＞

◇上昇銘柄◇

3401(帝人) エフィッシモが純投資目的で6.03％所有－大量保有

◇下落銘柄◇

4543(テルモ) 有効性基準を満たさず、ハートシートの販売終了

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・中国半導体、7兆円ファンド始動　製造装置国産化に重点

・富士通など、ドローン・AIで鉄塔検査　作業負担軽減

・パナHD､豪機関と電池用ニッケル共同開発　調達先を分散

▼日本証券新聞▼

・京三製作所　信号設備の受注好調　ホームドア整備加速も追い風

・半導体関連　おおむね反発　決算もスタート　TSMCは整備投資計画を上方修正

・住友林業　連日の高値　米金利低下+同業の好決算で期待値上昇

▼日刊工業新聞▼

・積水化、石油設備に設置　ペロブスカイト実証

・横浜ゴム、特性改善を効率化　タイヤ設計AI支援

・NTT東西　電話帳・番号案内終了　メタル回線も縮退

▼化学工業日報▼

・日産化学－三和化学　神経難病向け核酸医薬　25年にも安全性試験

・内航船不足、石化に黄信号　リプレース不透明　安定供給の足かせに

・経産省が工程表　日本発DAC 海外実証へ　CO₂除去価値移転制度も

▼日経MJ▼

・DAIWA　大魚追い世界へ　グローブライド、現地ニーズど真ん中狙う　「アツリート」育てファン拡大

・高島屋、カスハラ対策あえて公表　従業員の安全確保　接客中止や来店拒否も

・ベントレー「電動化＝進化」訴求　最高速度335キロのPHEV

＜今週の相場＞

今週の日本株相場は方向感に欠ける展開を想定する。国内がやや材料難の中で、主要企業の決算発表が本格化する米国株式市場の動向を睨みながらの展開となろう。足元の円高や半導体分野での地政学リスクへの懸念は、引き続き外需セクターや半導体関連株の重しになりそうだが、内需関連株や中小型株は業績回復への期待が高まりやすいとみる。

〇ボラティリティ上昇は投資家心理の重しに

米政府による対中規制は新しいテーマではなく、半導体関連株の売りも大半は利益確定売りとみている。しかし、11月8日の米大統領選挙が近づく中で、新たな不透明要因として意識されているのも事実だ。株式市場の予想変動率を示すボラティリティー・インデックスは日米ともに足元で上昇しており、一定期間は警戒感が残ろう。国内では、週後半から3月期決算企業の1Q（4-6月）決算発表がスタートするが、本格化は来週からで今週は手掛かりが少ない。一方、米国では今週から決算発表が本格化していくため、総じて米国株式市場を睨みながらの展開となりそうだ。もっとも、インフレ転換、内需活性化、企業統治改革など日本独自の強気ストーリーに変化はない。短期的には神経質な展開となるだろう、中期的な強気見通しは変える必要はないと考える。

〇好業績の内需株や中小型株に注目

物色では内需株や中小型株に目を向けたい。いずれも大型株に比べて国内売上高比率が高いため、対ドルでの円高進行は製造コストの低下や家計の購買力向上などを通じて、将来の業績改善期待に繋がりやすいとみる。今後は実質賃金のプラス転換を見据えた、消費活性化の恩恵も期待されよう。中長期的な業績拡大期待が高い一部の中小型株や、業績が堅調な内需株に投資妙味があろう。個別では値上げ効果で国内堅調＆海外成長も期待されるキユーピー（2809）、会社計画上方修正で足元好調、気温低下が予想される今冬での業績拡大が期待されるファストリ（9983）に注目したい。中小型では、高いブランド力で販売好調が続くJEH（5889）に期待している。

＜材料銘柄＞

• ＭＵＦＧ (8306): ＭＵＦＧ社長ら報酬減額、法令順守の意識浸透せず－銀証連携違反 (3)
• 三菱重 (7011): エアバスと小型機部品供給契約、脱ボーイング依存－日経
• ルネサス (6723): アルティウム買収で9380億円の借り入れ実行へ
• 日本製鉄 (5401):ポンペオ氏をアドバイザーに起用ーＵＳスチール買収に向け
• パンパシＩ (7532): 「中立」に格下げ、目標株価は4200円－マッコーリー
• 日本取引所 (8697): 日本市場の「顔」として奔走、時価総額280兆円増－ＪＰＸ率いる山道氏
• 神戸物産 (3038): 業務スーパー、北海道のフランチャイズ７店で無期限スト－読売
• サンリオ (8136): 「中立」に新規格付け、目標株価は3500円－ＳＭＢＣ日興
• メルカリ (4385): 米で一時解雇、現地社員の半数弱で100人弱の規模－日経
• グリコ (2206):カフェオーレやプッチンプリンの出荷再開、８月６日以降順次
• ハウス食Ｇ (2810):「中立」に格下げ、目標株価は3200円－岡三証券
• ＳＨＩＦＴ (3697): 「中立」に格下げ－丸三証券
• 吉野家ＨＤ (9861): 「アンダーウエート」に格下げ－モルガンＳ
• 岩井コスモ (8707): 1Q 連 業績予想修正
• スクエニＨ (9684): 「中立」に格下げ－東海東京
• 帝人 (3401): エフィッシモＣが株6.03％所有、保有目的は純投資－大量保有
• ファンケル (4921): ＭＹアルファが株保有を引き上げ、7.94％に－従来5.09％
• シャープ (6753): FG Innovationの通信関連特許を取得、金額は非開示
• サンサン (4443): グリーンノークス・キャピタルの株持ち分が9.2％に上昇
• 竹内製 (6432): 「イコール・ウエート」に格下げ－モルガンＳ
• アイザワ証 (8708):  1Q 連 業績予想修正
• あすか製薬 (4886): ＮＡＶなどの株持ち分が8.7％に上昇－変更報告
• トランコム (9058): ＮＡＶなどの株持ち分が11.8％に上昇－変更報告

＜今週の予定＞

◇22日（月）

・６月の白物家電出荷額（ＪＥＭＡ、10：00）

・６月の食品スーパー売上高（日本スーパーマーケット協会など、13：00）

・６月の主要コンビニエンスストア売上高（日本フランチャイズチェーン協会、14：00）

・６月の首都圏マンション販売（不動産経済研究所、14：00）

・７月の中国最優遇貸出金利（ＬＰＲ、10：15）

・タイ市場が休場

・海外４～６月期決算＝ベライゾン・コミュニケーションズ

◇23日（火）

・閣議

・基調的なインフレ率を捕捉するための指標（日銀、14：00）

・４～６月期決算＝ニデック

・東証スタンダードと名証メイン上場＝フィットイージー

・ハンガリー中銀が政策金利を発表

・トルコ中銀が政策金利を発表

・６月の米中古住宅販売件数（23：00）

・海外４～６月期決算＝コカ・コーラ、テスラ、アルファベット

・米２年物国債入札

◇24日（水）

・40年物利付国債の入札（財務省、10：30）

・６月の全国スーパー売上高（日本チェーンストア協会、14：00）

・７月仏購買担当者景気指数（ＰＭＩ）速報値

・７月独ＰＭＩ速報値

・７月ユーロ圏ＰＭＩ速報値

・７月英ＰＭＩ速報値

・６月の米新築住宅販売件数（23：00）

・７月の米ＰＭＩ（速報値、Ｓ＆Ｐグローバル調べ）（22：45）

・ボウマン米連邦準備制度理事会（FRB)理事が講演　（25日５：05）

・海外４～６月期決算＝ＩＢＭ

・米５年物国債入札

・カナダ中銀が政策金利を発表

◇25日（木）

・対外・対内証券売買契約（週間、財務省、８：50）

・６月の企業向けサービス価格指数（日銀、８：50）

・６月の外食売上高（日本フードサービス協会、14：00）

・６月の全国百貨店売上高（日本百貨店協会、14：30）

・７月の月例経済報告

・４～６月期決算＝野村総研、富士電機、富士通、日産自

・１～６月期決算＝伊勢化、中外薬、ルネサス、キヤノン

・20カ国・地域（Ｇ20）財務相・中央銀行総裁会議（26日まで、リオデジャネイロ）

・韓国の４～６月期国内総生産（ＧＤＰ）

・７月の独Ｉｆｏ企業景況感指数

・６月の米耐久財受注額（21：30）

・週間の米新規失業保険申請件数（21：30）

・４～６月期の米実質ＧＤＰ（速報値）（21：30）

・海外４～６月期決算＝ダウ、ハネウェル・インターナショナル

・米７年物国債入札

◇26日（金）

・閣議

・７月の都区部消費者物価指数（ＣＰＩ、総務省、８：30）

・３カ月物国庫短期証券の入札（財務省、10：20）

・２年物利付国債の入札（財務省、10：30）

・５月の景気動向指数改定値（内閣府、14：00）

・４～６月期決算＝信越化、キーエンス、今村証券、スクリン、岡三、マネックスＧ、極東証券、岩井コスモ

・東証グロース上場＝タイミー

・ロシア中銀が政策金利を発表

・６月の米個人所得・個人消費支出（ＰＣＥ、21：30）

・７月の米消費者態度指数（ミシガン大学調べ、確報値、23：00）

・海外４～６月期決算＝スリーエム（３Ｍ）

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞