【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●材料銘柄 
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：トランプ氏が「米中首脳会談でエヌビディア（+3.0%）の先端半導体を巡り協議する見込み」とし、両国の緊張緩和が期待される中、米国株は上昇して取引を開始した。エヌビディアの時価総額が史上初の5兆ドルを突破し、テクノロジーセクターが堅調だった。その後も、AIデータセンターの発電機器の需要急増で、7‐9月期の売上高が市場予想を上回り、上場来高値を更新したキャタピラー（+11.6%）など資本財・サービスセクターが上昇。一方、通期利益見通しを引き下げたファイサーブ（-44.0%）が急落し、金融セクターは軟調だった。午後に入り、パウエルFRB議長が「12月利下げは、既定路線とは程遠い」とし、利下げ観測が後退する中、主要3指数は売りに押された。半導体株の上昇が支えとなる中、引けにかけてナスダックはプラスに転じ、最終的に5日続伸し、最高値を更新。NYダウは5日ぶりに反落して取引を終えた。

＜日本株ADR＞

高安まちまち

◇上昇銘柄◇

5631(日製鋼所) 米国内の原子炉投資から、関連銘柄が国内外を問わず上昇

7013(IHI) JCRがIHIの長期発行体格付けをを「A-」から「A」に格上げ

◇下落銘柄◇

9697(カプコン) 2Q営業利益は147.4億円と市場予想の141.5億円を上回った

6594(ニデック) NKY225, TOPIXそれぞれから除外(執行日はTOPIXが10月31日、NKY225が11月4日)

＜本日の新聞見出し＞

▼日本証券新聞▼

・アドバンテスト　S高　大幅増額＋自社株買い　サプライズ

・日立建機、上方修正で上場来高値　社名を「ランドクロス」に変更へ

・きんでんがS高で上場来高値　配電、一般工事好調　増額＋増配

・コメリ反発　猛暑で好業績、自社株買いも

▼NIKKEI Prime▼

・プラズマで成膜、ペロブスカイト製造費2割減　住友重機械

・イヤホンでヘルスケア、聴覚補助や心拍計測　需要喚起

・世界EV・PHV比率、初の3割超え　9月は吉利が5割増

▼日刊工業新聞▼

・パナ、EV電池価格4割減　35年度めど ニッケル使用抑制

・リニア総工事費11兆円　JR東海、物価高で増額

・150℃対応の全個体電池　マクセル、来月出荷

・指輪のG-SHOCK　カシオ 最小で強度・防水両立

▼化学工業日報（2025/10/30）▼

・中国・遠景、世界トップへ　グリーンアンモニア　内蒙古工場 来年初頭フル稼働　発電用途に力　専用タービン開発

・東レ　炭素繊維　海外で新グレード開発　米欧韓 地域顧客に対応

・第一工業製薬　滋賀工場への投資加速　安全管理や品質・作業改善　カメラ大幅導入　廃液処理用濃縮装置も

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は、値ブレの激しい展開となろう。昨晩の米国株市場では、FRBによる0.25％の利下げが決定された一方、パウエルFRB議長の記者会見において、12月の利下げに対して慎重な姿勢が確認された。米国株市場の反応は限定的だったが、日経平均株価は昨日大幅に上昇した反動もあり、朝方は売り優勢でスタートしよう。その後は、11時より開催される米中首脳会談や昼過ぎに結果が発表予定の日銀会合、引け後の植田日銀総裁の記者会見を睨んだ動きとなろう。特に11時からの米中首脳会談では、エヌビディアの先端半導体についての協議も予定されているもよう。日本株市場は米中貿易摩擦緩和への期待などから半導体関連株が指数をけん引してきただけに、発言を受け、不安定な動きとなる場面も想定されよう。また、今回の日銀会合では「現状維持」となる見通しだが、国内ではインフレに対する不透明感が高まり、米国からは利上げを「催促」されるなか、植田日銀総裁のコメントが注目されよう。

〇外需株を中心に日本株の見直し余地は大きい

昨日は日経平均株価が1,000円超上昇した一方、アドバンテスト1銘柄の寄与（約1,000円）がほとんどで、東証プライム市場の8割超が下落するなど、歪な上昇だった。NT倍率も急拡大しており、目先は過熱感も意識されよう。一方、日本株の見直し余地は依然として大きいと考える。足元の決算では生成AI向け製品や高性能スマホ向けへの高い需要が継続しているほか、日立建など、値上げやコスト削減などの関税対応の効果が出現し始めた企業も散見されている。QUICKの月次調査によると、米関税政策に対する不透明感などから外需株を中心とした投資判断には慎重な投資家が多い。決算をきっかけに外需企業を中心に見直し買いが進むことで、全体の底上げが期待できよう。また、昨日はザラ場中に住友商事がSCSKの完全子会社化を発表したほか、引け後にはNECが同社として過去最大規模のM&Aを発表した。夏にかけて海外投資家が日本株を買い越した背景の一つが親子上場の解消や積極的なM&A戦略などだった。決算動向に加え、企業の資本コストやガバナンス改善に向けた動きに対する動きがみられるかも併せて注目したい。

＜材料銘柄＞

• キーエンス (6861):連 中間 営利 +3.11% 2721億8000万円
• NEC (6701): 通期売上高予想上方修正、市場予想下回る
  • 米CSG Systems Internationalを完全子会社化へ、4447億円
• ディスコ (6146): 2Q営業利益、市場予想とほぼ同じ
• JR東海 (9022):通期営業利益予想上方修正、市場予想上回る
  • リニア新幹線品川－名古屋間の総工事費見通し4兆円増
  • 自己株取得枠を1100億円に拡大－従来1000億円
• カプコン (9697): 2Q営業利益、市場予想上回る
• ホンダ (7267): メキシコで車生産停止、半導体不足で－日経
• 住友商事 (8053): SCSKをTOBで完全子会社化へ、総額8820億円－プレミアム34%
• SCSK (9719): 連 中間 税前 +79.8% 496億1000万円(IFRS)
• オービック (4684):「アウトパフォーム」に格上げ－マッコーリー・グループ
• レーザーテック (6920):「買い」に格上げ－Aletheia Capital
• 川崎重工 (7012): JCRが格付け見通し「ポジティブ」に変更－従来「安定的」
• 良品計画 (7453):「アウトパフォーム」に格上げ－水戸証券
• 山崎パン (2212): 通期営業利益予想上方修正、市場予想とほぼ同じ
• 東映アニメ (4816): 連 中間 営利 -2.09% 166億4000万円
• エクセディ (7278): 通期 連 業績予想修正
• カゴメ (2811): 連 3Q 営利 -46% 176億4000万円(IFRS)
• フェロテク (6890): シティインデックスイレブンスなどが株を保有－大量報告
• AREHD (5857):通期 連 業績予想修正
• Genky (9267):連 1Q 営利 +28.3% 29億2000万円
• タダノ (6395): シルチェスターの株持ち分が8.9％に低下－変更報告
• 横河ブリHD (5911):連 中間 営利 +12.4% 44億9000万円
• 東エレデバ (2760): 連 中間 営利 -43.4% 35億6000万円
• 小森コーポ (6349): 連 中間 営利 +141.7% 31億6000万円
• カワチ薬品 (2664): 連 中間 営利 -21.9% 32億1000万円
• JFEシス (4832):連 中間 営利 -19.9% 26億7000万円
• 日産車体 (7222): 湘南工場をサービス部品生産工場として活用へ
• 日ライフラ (7575): 連 中間 営利 +5.75% 66億2000万円
• プレステI (4290): 連 中間 営利 +14.1% 42億6000万円
• フォスタ電 (6794): アクシウム・キャピタルの株持ち分が12.6％に上昇

＜本日の予定＞

【国内】

・日銀金融政策決定会合の結果発表

・10月の「経済・物価情勢の展望（展望リポート）」（日銀）

・対外・対内証券売買契約（週間、財務省、８：50）

・９月の建機出荷（建設機械工業会、13：00）

・日本経済新聞社景気討論会（都内、13：30）

・植田日銀総裁が記者会見（15：30）

・ジャパンモビリティショー開幕（11月９日まで、東京ビッグサイト）

・１～９月期決算＝ＪＴ、ルネサス

・４～９月期決算＝イビデン、野村総研、武田、アステラス、ＯＬＣ、日立、富士電機、富士通、パナＨＤ、京セラ、岡三、丸三、東洋、水戸、いちよし、丸八証券、極東証券、アイザワ証Ｇ、ＪＲ東日本、ＪＡＬ、東電ＨＤ、関西電、コナミＧ

【海外】

・７～９月期決算＝サムスン電子

・９月のユーロ圏失業率

・７～９月期のユーロ圏域内総生産（ＧＤＰ、速報値）

・欧州中央銀行（ＥＣＢ）が政策金利を発表

・ボウマンＦＲＢ副議長が講演（22：55）

・７～９月期決算＝アップル、アマゾン・ドット・コム、メルク

（注）時間は日本時間

〈お断り〉米連邦政府機関の一部閉鎖（シャットダウン）に伴い、発表日程が流動的なため一部掲載を見送った経済指標があります。

＜本日の決算発表予定＞