株式市場オーバーナイト概況(2024年9月27日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●材料銘柄 
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：セクターでは、中国の景気刺激策による需要増期待で素材が上昇。化学のAlbemarle(ALB)+9.9%、Celanese(CE)+7.5%。天然資源のFreeport-Mcmoran(FCX)も+7.5%、情報技術は予想を上回る決算とガイダンスを発表した半導体のMicron Technology(MU)+14.7%、同様に好決算を発表したEMSのJabil (JBL)+11.7%。一方で、サウジとリビアからの供給増見通しを背景に原油価格が続落しており、エネルギーセクターが続落。不動産や公益も軟調となった。

＜US時間外＞

出来高は乏しい

◇上昇銘柄◇

TMDX(医療機器): S&P SmallCap600に採用、10月1日から

SCHL(出版): 1Q赤字縮小、調整後1株あたり損失＄2.13（予想：1株あたり$2.20の損失）

◇下落銘柄◇

MOFG(銀行): 株式売却を開始した後、時間外で6.5% 下落しました。売却規模は未定

ADPT(診断・生命科学): 同社の血液がん患者向けクロノシーク検査料を改定し2割弱の値上げを材料に立会内で38％高。時間外では5％弱安い

＜日本株ADR＞

堅調継続

◇上昇銘柄◇

4911(資生堂) Jeffriesが「Hold」に格上げ、目標株価3,400円（前回：3,160円）

6702(富士通) SMBC日興が「買い」に格上げ、目標株価 3,500円（前回：2,600円）

◇下落銘柄◇

6753(シャープ) 保有する投資有価証券のうち、上場5銘柄を売却。特別利益283億計上へ

7013(IHI) 独子会社（自動車用過給機生産）を来年3月で解散すると発表。納入先の自動車メーカーがエンジンの開発を停止しているため

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・ソニー･ホンダ､走るLIVEステージ　立体音響で没入感

・味の素、CSRD開示へ日欧で役割分担　25年から予行演習

・YKK AP、ビルの窓枠施工にロボット　高度技能を自動化

▼日本証券新聞▼

・ゲーム銘柄好調　任天堂はミュージアム、カプコン新作18万円　日経平均3万8000円台回復

・米マイクロン　AI向け好調　HBM、DCなど関連銘柄が急騰

・26日IPOは3勝1敗　資金吸収額と初値騰落率、反比例の関係

▼日刊工業新聞▼

・経産省、国交省　週200便超の航空燃料確保　追加要請引き続き対応

・Mipox　金沢に来月営業新拠点

・ALSOK　ウェブサービス提供　中小にサイバー対策

▼化学工業日報▼

・帝人　再生医療CDMO協業拡大　アジア地域で複数社と

・工業塩、5～10㌦上げ　25～26年価格　おおむね交渉決着

・GX移行債事業　化学など燃料・製法転換支援　第1弾4844億円　経産省が公募　エチレン集約などは補助率上げ

▼日経MJ▼

・良品計画がふるさと納税サイト　産地直送「諸国良品」130点

・U-NEXT、日本で「Max」独占配信　ハリポタなど2500作品

・外食、長いお盆・猛暑で31社増収　サイゼリヤ22％増、客数伸長

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は神経質な展開となろう。昨晩の米国株相場は堅調な企業決算やソフトランディング期待などから、主要3指数が堅調推移となった。米国では半導体関連株が騰勢を強めているほか、円安進行もあって朝方は半導体関連株を中心に外需株が日本株相場をけん引しよう。もっとも、13時には自民党総裁選の投開票を控える。上位2名での決戦投票となる公算が大きいが、過去候補者が多いケースでは結果判明まで時間を要すことが多かった。引けにかけては神経質な展開も想定される。

○サナエ外需シクリカル、シゲル内需ディフェンシブ

総裁選は石破氏、小泉氏、高市氏の3名に絞られているとの見方が強い。連日の候補者討論会を経て小泉氏の勢いは失速気味の一方で、26日の産経新聞は「麻生副総裁が高市氏支持へ、麻生派議員にも指示」と報じるなど勢いを増している印象。仮に高市氏当選の場合は、日銀利上げに対する消極的スタンスや財政拡張路線などから、外需シクリカル銘柄買い、金融セクター売りが想定される。小泉氏の場合は働き方改革の関連銘柄などが注目されそうだが、市場全体では中立だろう。一方、石破氏は金融所得課税強化（ただしここ数日で発言はトーンダウン）を含む財政再建スタンスで市場の反応はネガティブ、物色では内需ディフェンシブが中心となろう。

○解散アノマリーでは好業績株を買うべき

然は然りながら、自民党総裁選と株価リターンには明確な関係性はなく、政権発足後の政策スタンス変更も茶飯事（岸田政権が良い例）、政権交代無しであれば政策がドラスティックに変わる可能性は低い、といった点から、市場の関心は総裁選後とみられる解散総選挙へ移るだろう。「解散＝株高」は広く知られたアノマリーだが、特に2000年以降計8回の解散総選挙ではその傾向が強まっている。解散後の平均的なファクターリターンを踏まえると、好業績銘柄が買われやすい傾向があるため、直近決算で業績進捗が良好だった銘柄や中長期的な成長ストーリーを背景に投資家からの評価が高い銘柄を順張りするのが得策と考える。日立（6501）、富士通（6702）、TDK（6762）、アドバンテスト（6857）、ファストリ（9983）などが筆頭候補となろう。

＜材料銘柄＞

• トヨタ (7203): ＩＯＣとの五輪・パラリンピックのスポンサー契約を更新せず
• 日本製鉄 (5401): 日本製鉄社長、ＵＳスチール買収の年内完了に改めて意欲
• ＭＵＦＧ (8306)など３メガ銀行: 政投銀とラピダスに出資へ、最大250億円－日経
  • 大手５行が住宅ローン変動金利引き上げへ、上げ幅0.15％程度－共同
• 富士通 (6702): 「アウトパフォーム」に格上げ－ＳＭＢＣ日興
• 三菱商 (8058):マレーシアでＬＮＧ権益新たに取得へ－日経
• ＴＤＫ (6762): 「買い」格付け再開、目標株価は1万1500円－岡三証券
• 京セラ (6971): 「中立」格付け再開、目標株価は1950円－岡三証券
• 日産 (7201): 仏ルノーから自己株5.03％取得へ、１株408.5円－全株消却
• 神戸物産 (3038): 「中立」に格下げ、目標株価は4200円－岡三証券
• サイゼリヤ (7581): 「中立」に新規格付け、目標株価は5500円－ＳＭＢＣ日興
• 日野自 (7205): カナダでの訴訟で和解－約60億円を特損計上
• 物語コーポ (3097): 「アウトパフォーム」に新規格付け－ＳＭＢＣ日興
• Ｍ＆ＡＣＰ (6080): 「買い」に新規格付け－岡三証券
• 電通Ｇ (4324): 自己株1.62％を消却、10月３日付
• 資生堂 (4911): 「ホールド」に格上げ、目標株価は3400円－ジェフリーズ
• ビットコイン関連株： 金融庁、ＤＭＭビットコインに業務改善命令－不正流出
• シャープ (6753): 上場株式５銘柄を売却、特別利益283億円計上へ
• 三機工 (1961): 「アウトパフォーム」に新規格付け－東海東京
• 東邦銀 (8346): 中間及び通期 連 業績予想
• ハニーズＨ (2792): 連 １Ｑ 営利 -23.3% 12.33億円
• 古河電池 (6937): 通期 連 業績予想修正
• ジモティー (7082):「中立」に格下げ－いちよし経済研究所

＜本日の予定＞

【国内】

・閣議

・９月の都区部消費者物価指数（ＣＰＩ、総務省、８：30）

・対外・対内証券売買契約（週間、財務省、８：50）

・３カ月物国庫短期証券の入札（財務省、10：20）

・自民党総裁選の投開票（党本部、13：00から）

・７月の景気動向指数（改定値、内閣府、14：00）

・ＪＰＸ山道ＣＥＯの記者会見（15：30）

・東証グロース上場＝Ａｉロボティクス

【海外】

・１～８月の中国工業企業利益（10：30）

・８月の米個人所得・個人消費支出（ＰＣＥ、21：30）

・９月の米消費者態度指数（ミシガン大学調べ、確報値、23：00）

・ボウマン米連邦準備理事会（ＦＲＢ）理事が地方銀行の団体が主催する討議に参加（28日２：15）

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞