株式市場オーバーナイト概況(2024年9月10日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●材料銘柄 
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：ほぼ全面高となったが、セクターでは一般消費財・サービスが上昇。Tesla(TSLA)が+2.6%、Amazon.com (AMZN)+2.3%。クルーズ客船も上昇した。資本財・サービスは、航空・防衛のBoeing(BA)が労働協約案で最大の組合と合意、スト回避の期待が高まり+3.4%上昇。United Airlines(UAL)+6.0%を筆頭に航空株も大幅高となった。情報技術は、先週-11.7%下落したサーバーソリューションのSuper Micro Computer　(SMCI)が+6.1%。Nvidia(NVDA)も+3.5%。Apple(AAPL)が発表したiPhone16の評価はまちまちで、株価は低迷、かろうじてプラスで引けた。金融は、バランスシート改善のために70億ドル相当の低収率有価証券を売却した地銀のKeycorp(KEY)+3.1%。Alphabet(GOOGL)が司法省に提訴されたことで-1.3%下落し、コミュニケーション・サービスは小幅の上昇にとどまった。

＜US時間外＞

iPhone16を発表したAppleは、時間外ではほぼ動かず出来高も低調

◇上昇銘柄◇

AVO(食品・飲料): 3Q決算良好、調整後1株利益23セント

MTRX(油田サービス): 4Q決算は若干悪化したものの、25年度の見通しが事前予想を上回る

◇下落銘柄◇

IONS(バイオテクノロジー): 5億ドルのPOを発表

APLD(有線通信): 1.6億ドルの資金調達にエヌビディアなどが参加との公表で立会内44％上昇

＜日本株ADR＞

高安まちまち

◇上昇銘柄◇

9107(川船) ボリンジャーバンドの下限を下回り、売られ過ぎの可能性を示唆

5802(住電工) 大和証が「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価 2,700円は据え置き

◇下落銘柄◇

9202(ANA) 月次旅客輸送実績が前年比+8.7％、前月の+14.9％から鈍化

7731(ニコン) シティ証が「売り」に格下げ、目標株価 1,300円（前回：1,600円）

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・ニコン、半導体後工程にマスクレス露光　後発でも自信

・マツダ｢走るほど脱炭素｣の挑戦　藻で燃料、排気CO2回収

・パナHD、和歌山のEV電池工場開所　米に量産技術を移転

▼日本証券新聞▼

・NSSOL　アクティビストの剛腕に期待　「USスチール後」の新展開も

・三菱ケミカルG、逆行高　田辺三菱製薬売却の報道

・トイレタリー2社　ディフェンシブマネーを呼び込む　米国はP&Gなど高値更新

▼日刊工業新聞▼

・大同特殊鋼、靭性を確保　ギガキャスト対応鋼

・デンカ、大船工場を停止　26年3月PE包装資材撤退

・三菱ケミ、トリアセテート繊維売却　GSIクレオスに

▼化学工業日報▼

・クレハ、医療機器に参入　生体吸収フィルム　手術の癒着防止用　30年度めど市場投入

・イビデン　LiB用安全部材が採用　日経EVに　海外生産も視野

・クラレ　新宿にバイオ研究拠点　マイクロキャリアで

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は、戻りを試す展開となりそうだ。来週の米FOMCでは0.25％の利下げ確率が高まるなか、米国の景気減速懸念等、悪材料はかなり織り込みが進んだ印象を受ける。実際に、昨日の日経平均は後場にかけて下げ幅を大きく縮小するなど、売り方の買い戻しとみられる動きがみられ、徐々に底堅さが意識されよう。なお、昨晩はアップルがAI搭載の新型「iPhone16」を発表した。内容にサプライズは乏しかったものの、アップルの株価は例年、イベント通過後に上値が重くなる傾向が強い。この点も株式市場には織り込みとみられ、日本株相場への影響は限定的となりそうだ。

〇業績面から見た過度な下値不安は限定的

日本株相場全体の先行き不透明感は強い半面、業績面等を考慮すれば8月安値を割り込む程の二番底懸念は乏しいとみている。例えば、アナリストの業績予想の変化を示すQUICKコンセンサスDIを見ると直近（24年8月）は製造業が17（前月は5）、非製造業が7（同-7）と改善傾向を示している。8月の急激な円高進行をアナリスト予想が依然として反映しきれていない面はあろうが、非製造業のDIが今年4月頃の水準を回復している点は見逃せない。業種別で見ると、製造業では電気機器や機械、化学など、非製造業が建設や小売りなどが改善傾向にある。個別でも同セクター内では1Q決算が良好であった企業が散見され、相場全体の調整局面では押し目買いの好機と言えよう。

〇業績が為替の影響を受けづらい情報・通信業にも注目

物色面では、小売り関連などの円高メリット銘柄に加えて、相対的に業績が為替市場の影響を受けづらい情報・通信業などにも注目したい。昨日のプライム市場ではメルカリやMonotaRO、コナミGなどの上昇が目立った。とりわけ、MonotaROについては、7月の既存店売上高が前年同月比22.3％増と2桁成長が続く。ユーザーにとって手間のかかる間接資材の調達時間を短縮することは「使える時間」の創出につながり、結果的に人手不足の解消にもつながると言え、中長期的に有望なテーマ性を内包する中小型株として注目したい。

＜材料銘柄＞

• ７＆ｉＨＤ (3382): クシュタールの提案は議論を行うための根拠・材料なし
• 大塚ＨＤ (4578): 「買い」に格上げ、目標株価は1万円－ＵＢＳ
• クボタ (6326): 「イコール・ウエート」に格下げ－モルガンＳ
• 住友電工 (5802): 「アウトパフォーム」に格上げ－大和証券
• 資生堂 (4911): 「中立」に格上げ、目標株価は3400円－ゴールドマン・サックス
• ホンダ (7267): 中国合弁「東風ホンダ」で希望退職募集－日経
• ＮＲＩ (4307): 「イコール・ウエート」に格下げ－モルガンＳ
• パナソニック (6752): パナソニックエナジー、最新型の車載用電池の量産準備を完了－容量５倍
• コナミＧ (9766): 「アウトパフォーム」に格上げ－東海東京
• スバル (7270): 「中立」に格下げ、目標株価は2700円－シティ
• ニコン (7731): 「売り」に格下げ、目標株価は1300円－シティ
• 三菱マ (5711): 「中立」に格下げ、目標株価は2750円－ＳＢＩ証券
• 三井金 (5706): 「買い」に格上げ、目標株価は5600円－みずほ証券
• イビデン (4062): 「アウトパフォーム」に格上げ－水戸証券
• コーセー (4922): 「アンダーパフォーム」に格下げ－ジェフリーズ
• サカイ引 (9039): 「中立」に格下げ－いちよし経済研究所
• ＧＥＮＤＡ (9166): 連 2Q 営利 +15.1% 31.84億円
• くら寿司 (2695): ３Ｑ営業利益、市場予想下回る

Ø  「ホールド」に格上げ、目標株価は3800円－CLSA

• 山洋電 (6516): ストラテジックＣの株持ち分が8％に上昇－変更報告
• ＣＥＣ (9692): 連 2Q 営利 -7.8% 32.50億円
• 常磐興 (9675): 米フォートレスがＴＯＢ、１株1650円

＜本日の予定＞

【国内】

・閣議

・ＱＵＩＣＫ短観（８：30）

・８月のマネーストック（日銀、８：50）

・５年物国債の入札（財務省、10：30）

・７月の特定サービス産業動態統計（経産省、13：30）

・８月の工作機械受注額（速報値、日本工作機械工業会、15：00）

【海外】

・８月の中国貿易統計

・８月の英失業率（15：00）

・米大統領選候補者テレビ討論会（ＡＢＣテレビ）

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞