株式市場オーバーナイト概況(2024年9月9日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●今週の相場
●材料銘柄 
●今週の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：ほぼ全面安となり、セクターではAlphabet(GOOGL)-4.0%、Meta Platforms(META)-3.2%でコミュニケーション・サービスが下落。一般消費財・サービスは、Tesla(TSLA)が-8.5%、Amazon.com(AMZN)-3.7%。情報技術はほぼ予想通りの決算を発表した半導体のBroadcom(AVGO)が-10.4%、Nvidia(NVDA)-4.1%。金融は大手銀や生保が軒並み下落した。原油価格の下落を背景にエネルギーも下落、素材、資本財サービスらも売られた。

＜US時間外＞

S&P採用・除外で関連株が上下

◇上昇銘柄◇

HLNE(投資管理): S&P MidCap400に採用

◇下落銘柄◇

VTYX(バイオテクノロジー): パーキンソン病初期患者を対象としたVTX3232の第2a相試験の投与開始を発表

AMCX(映画・テレビ): S&P SmallCap600から外れる

＜日本株ADR＞

全体的に下落

◇上昇銘柄◇

7453(良品計画) 5日付のSMBC日興のPT上げ、3,100円⇒3,600円

◇下落銘柄◇

6753(シャープ) 数年後にEV市場参入、コンセプト車両公開

2269(明治HD) 神奈川工場、東北工場と戸田工場での生産を中止し、神奈川新工場（厚木市）を建設すると発表、投資額約400億円

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・後発アイシン､eアクスル猛追　小型9in1やBMW受託生産

・三菱電機、異例のCTO再登板　新技術発掘へ縦割り打破

・カゴメ、長野の工場に蓄電池　太陽光発電を効率化

▼日本証券新聞▼

・積水ハウス　上場来高値　米国事業好調で上方修正

・パスコ、TOBでS高　セコム子会社・能美防も思惑波及

・広済堂HD、大幅高　決算訂正も業績に影響せず

▼化学工業日報▼

・接着剤使わぬ接着材料　「ヤモリの手構造」来期投入　信越化学がテープ製品　ウエハー固定用など期待

・日本ユピカ　熱硬化乾式成形材を増強　来年2月めど能力2倍　子会社に新設備　EV向け需要対応

・日油　植物由来の金属石けん開発　メーキャップ向け　化粧持ち高める　日焼け止め原料　無機粉体の分散性向上

▼日経MJ▼

・EVで通勤　家計のハコブネ　勤め先が費用補助/社で充電、家の電気に　新型の福利厚生、採用に効用

・WEGO、自社EC比率向上へ　オンワード、完全子会社化の狙い　訪日客人気追い風　アジア開拓

・「ゴールドウィン」アジアで成長　渡辺社長、「ノース・フェイス」頼み脱却へ　現地企業と合弁、100店展開へ

＜今週の相場＞

今週の日本株相場は波乱含みの展開となりそうだ。注目の8月米雇用統計は好悪入り混じる内容となり、指標自体への米国株の反応は限定的であった。ただ、ハイテク株中心に再び売りが強まり、ナスダックは大幅反落となっている。加えて、142円台前半までドル安円高が進行したことを受けて、夜間の日経平均先物は35,150円（大証比-1,210円）と急落しており、週明けは厳しいスタートとなりそうだ。日経平均は9/2ザラバに一時39,080円と7月末水準を回復した後は4営業日続落中で、本日夜間先物並みの下げとなると計3,500円程度の下落幅となる。８月初旬の急落を彷彿とさせるが、今回は円キャリートレードの巻き戻しの動きが一巡しており、一方的な下げにはならないであろう。今週は週末にメジャーSQを控えているため、先物主導のパワープレーで荒い値動きとなる場面もあろうが、リバウンドの際の値幅も期待できるとみており、タイミングをずらした買いで臨みたい。

〇米ハイテク株の落ち着き処を待つ

今回の日本株安の背景には、米国で市場予想を下回った求人件数（JOLTS）やISM製造業景況指数など、景気後退懸念の再燃がいわれている。ただ、NYダウは急落というほど下げているわけではなく、VIX指数をみても前回ほどの警戒感はない。下げの一番の要因は半導体を中心とした米ハイテク株の調整であり、この数日の日経平均の下落寄与度上位でも半導体関連が並んでいる。今週は米国でアップルイベントやソフトウェア大手の決算を控えているため、ハイテク株の反発のキッカケとなる可能性もあろう。国内の半導体の主力株は軒並み年初来マイナスに沈んでおり、米ハイテク株が落ち着けば見直し買いが期待できそうだ。

〇波乱相場のなかで拠り所となる業績

波乱相場のなかで拠り所となるのは業績であろう。過度な円安一服で、輸入コストの減少が業績改善につながる神戸物産やニチレイなどの内需セクターは引き続き注目できそうだ。今年に入って強い上昇トレンドをみせている三菱重や日立なども程よく調整してきた。また、ハイテク株では好業績のアドバンテストやTDKなど日々の値動きは激しいが、中長期のトレンドに大きな崩れはない。波乱相場ではファンダメンタルズやテクニカルを無視した動きになろうが、冷静に対応したい。

＜材料銘柄＞

Ø  トヨタ (7203): 26年のＥＶ世界生産を100万台程度に縮小、従来150万台－日経

Ø  ７＆ｉＨＤ (3382): クシュタール、７&ｉ買収意欲を再表明へ－当初案拒否の回答後も

Ø  ＮＴＴデＧ (9613): 変わるカプセルホテル、データ解析でビジネス－「睡眠」は謎だらけ

Ø  日本製鉄 (5401): 「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価は3700円－CLSA

Ø  三菱ケミＧ(4188): 田辺三菱製薬を売却へ－日経

Ø  大林組 (1802): 「中立プラス」に新規格付け、目標株価は2230円－水戸証券

Ø  明治ＨＤ (2269): ３工場で生産中止、神奈川に新工場建設－投資額約400億円

Ø  千葉銀 (8331): エッジテクを完全子会社化、１株841円でＴＯＢ－約91億円

Ø  スクエニＨ (9684): 「アンダーパフォーム」に格下げ－ジェフリーズ

Ø  ヤマトＨＤ (9064): 「中立」に格下げ、目標株価は1750円－大和証券

Ø  コスモス薬 (3349): 「中立」に格上げ、目標株価は7200円－ＪＰモルガン

Ø  すかいＨＤ (3197): 九州の「資さんうどん」を完全子会社化－買収額240億円

Ø  富士電 (6504)：上場有価証券一部売却、163億円を特別利益に計上

Ø  リコー (7752): エフィッシモの株持ち分が17％に上昇－変更報告

Ø  フジメＨＤ (4676): 「アウトパフォーム」に格上げ－東海東京

Ø  イオンＦＳ (8570): 「売り」に格下げ、目標株価は1200円－シティ

Ø  ハモニック (6324): ティー・ロウの株持ち分が9.4％に上昇

Ø  日東紡 (3110): 「買い」に格上げ、目標株価は6300円－みずほ証券

Ø  日ゼオン (4205): オアシスマネジメントが6.3％保有－大量報告

Ø  セーレン (3569): オアシスマネジメントが6.3％保有－大量報告

Ø  フクシマガ (6420):「中立」に格下げ、目標株価は5900円－大和証券

Ø  カナモト (9678): 連 ３Ｑ 営利 +16.4% 90.29億円

Ø  クミアイ化 (4996): 連 ３Ｑ 営利 -12.8% 122.98億円

Ø  アイル (3854): 連 通期 営利 +20.2% 42.63億円

Ø  日駐車場開 (2353): 連 通期 営利 +4.2% 64.61億円

Ø  Ｓサービス (3733): 連 ３Ｑ 営利 +24.6% 60.93億円

Ø  ハイレクス (7279): 連 ３Ｑ 営利 -11.1% 13.05億円

＜今週の予定＞

◇９日（月）

・８月の貸出・預金動向（日銀、８：50） 

・４～６月期国内総生産（ＧＤＰ）改定値（内閣府、８：50）

・７月の国際収支（財務省、８：50）

・８月の対外・対内証券売買契約(財務省、８：50）

・６カ月物国庫短期証券の入札（財務省、10：20）

・ＱＵＩＣＫ月次調査＜株式＞（11：00）

・８月の景気ウオッチャー調査（内閣府、14：00）

・８月の中国消費者物価指数（ＣＰＩ、10：30）

・８月の中国卸売物価指数（ＰＰＩ、10：30）

・７月の米卸売在庫・売上高（23：00）

・７月の米消費者信用残高（10日４：00）

◇10日（火）

・閣議

・ＱＵＩＣＫ短観（８：30）  

・８月のマネーストック（日銀、８：50）

・５年物国債の入札（財務省、10：30）

・７月の特定サービス産業動態統計（経産省、13：30）

・８月の工作機械受注額（速報値、日本工作機械工業会、15：00）

・８月の中国貿易統計

・８月の英失業率（15：00）

◇11日（水）

・日銀の中川審議委員が秋田県金融経済懇談会で挨拶（10：30）

・日銀の中川審議委員が秋田県金融経済懇談会後に記者会見（14：00）

・11～７月期決算＝神戸物産

・８月の米ＣＰＩ（21：30）

◇12日（木）

・自民党総裁選が告示（27日投開票）

・８月の企業物価指数（日銀、８：50）

・対外・対内証券売買契約（週間、財務省、８：50）

・７～９月期法人企業景気予測調査（財務省、８：50）

・日銀の田村審議委員が岡山県金融経済懇談会で挨拶（10：00）

・20年物国債の入札（財務省、10：30）

・８月のオフィス空室率（三鬼商事、11：00）

・日銀の田村審議委員が岡山県金融経済懇談会後に記者会見（14：30）

・８月の投信概況（投資信託協会、15：00）

・11～７月期決算＝タイミー

・欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会の結果発表（21：15）

・ラガルドＥＣＢ総裁が記者会見（21：45）

・８月の米ＰＰＩ（21：30）

・週間の米新規失業保険申請件数（21：30）

・８月の米財政収支（13日３：00）

◇13日（金）

・閣議

・３カ月物国庫短期証券の入札（財務省、10：20）

・７月の鉱工業生産確報値（経産省、13：30）

・５～７月期決算＝アストロＨＤ

・11～７月期決算＝ＨＩＳ

・株価指数先物・オプション９月物の特別清算指数（ＳＱ）算出

・７月のユーロ圏鉱工業生産

・ロシア中銀が政策金利を発表

・８月の米輸出入物価指数（21：30）

・９月の米消費者態度指数（ミシガン大学調べ、速報値、23：00）

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞