株式市場オーバーナイト概況(2024年8月30日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●今週の相場
●材料銘柄 
●今週の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：セクターでは、エネルギーが上昇、構成銘柄22社すべてが上昇した。金融はPaypal(PYPL)+3.9%、Corpay(CPAY)+2.4%と決済サービスが上昇を主導。資本財・サービスは、United Airlines(UAL)+3.2%、Delta Air Lines(DAL)+2.8%、American Airlines Group(AAL)+2.4%と航空株が軒並み上昇した。素材は化学中心に上昇。一方で、情報技術はNVDAがじり安した後2時過ぎに下げ幅を拡大、-6.4%でセクターの重石となった。生活必需品は予想を下回る決算とガイダンス引き下げを発表した、ディスカウントストアのDollar General(DG)が-32.2%。同業のDollar Tree(DLTR)も連れ安し、-10.24%。

＜US時間外＞

◇上昇銘柄◇

LUNR(防衛): NASAとの1億1,690万ドルの月面契約獲得

MDB(ソフトウェア): 1株当たり利益:調整後70セント（予想49セント）, 収益: 4億7,810万ドル対4億6,410万ドル

◇下落銘柄◇

ULTA(一般消費財): 消費者需要の減速で売上見通しを引き下げ, 今年度の純売上高を110億～112億ドルと見込んでおり、これは以前の115億～116億ドルの予想から下方修正された

＜日本株ADR＞

軟調継続

◇上昇銘柄◇

2267(ヤクルト) 岡三証が目標株価上げ、2,900円（前回：2,800円）

2229(カルビー) ﾓﾙｶﾞﾝ・ｽﾀﾝﾚｰが目標株価上げ、4,100円（前回：3,600円）

◇下落銘柄◇

4543(テルモ) 株主7社が海外でテルモ株を売り出し、7,321万株・約2,000億

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・ヨーカ堂、都内全店で廃食油回収　ENEOSとSAF製造

・JR西、設備保全に人型ロボ　ツール交換式で多様な作業

・BIPROGYなど、観光公害にIoTごみ箱　ポイ捨て抑止

▼日本証券新聞▼

・トーカロ　高機能皮膜など溶射市場首位　200日線めどに押し目買い

・不二油、年初来高値　カカオ高で商機拡大　来期は300億円超の最高益へ

・医薬品関連の物色継続　ロート製薬、7月高値に接近

▼日刊工業新聞▼

・日鉄、来月仲裁結果　副会長見通し　USスチール買収

・IOWN日台間開通　NTTと中華電信　初の国際通信

・和歌山県が空飛ぶクルマ　万博後の商用化見据え

▼化学工業日報▼

・半導体用研磨剤　中国売上 1割超に　扶桑化学が戦略多角化　台湾2㌨向け 年内量産

・グンゼ　エンプラで非OA開拓　半導体・医療など照準　30年度に売上高3割増

・欧州半導体法 投資後押し　TSMCなど新設相次ぐ　次世代品シェア 世界20％へ

▼日経MJ▼

・海藻の秘めた力　食に革命　シーベジタブル、二つ星シェフと飛躍　120店結集、三越伊勢丹で冠催事

・鍵受け渡しボックス、民泊用から個人に　合鍵保管、留守中の家事代行でも

・アジアU30　ちいかわ推し　日本のカルチャー調査　ハイキュー!!やバレー代表も

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は底堅い展開となりそうだ。昨晩の米国市場は主要3指数がまちまちの値動きとなった。4-6月期のGDP改定値が市場予想を上回ったことでソフトランディング期待が高まり、ダウは史上最高値を更新したものの、前日に決算を発表したエヌビディアが軟調に推移したことが相場の重しとなった。今週の日本株は円高の動きを受けて週初こそ弱含む場面が見られたものの、38,000円を割り込む場面では押し目買いが相場の下支えとなった。本日も底堅い推移が予想されるが、先週末の終値は38,364円となっており、この水準を上回って終えられれば日本株の売りにくさが意識されそうだ。

〇半導体関連株は長期的に注目できよう

エヌビディアの決算を受けて、昨日は半導体関連株が売り優勢でのスタートとなったものの、売り一巡後は下げ渋る動きとなった。これまでのテック株への集中物色の反動から株価の調整が続いていたが、株価の下落でバリュエーション面での過熱感は和らいでおり、イベント通過による不透明感の後退から押し目を拾う動きが見られたものと思われる。生成AIへの投資を拡大する米大手ハイテク企業に対して収益化への懸念が見られるが、生成AIの普及はまだ始まったばかりであり、関連企業は長期的に注目できよう。足元では米国の対中規制に対する警戒感が高まっており、中国向け売上高の高低や、生成AI関連の業績寄与で銘柄選別が重要になりそうだ。個別企業では、アドバンテ（6857）や東エレク（8035）などに注目したい。アドバンテは、AI向け半導体のテスト時間が長期化することに伴いテスト装置の需要増加が期待されそうだ。また、東エレクでは、中国向けの需要減少を先端AI向けの拡大で吸収可能とみるほか、戦略製品の投入で市場シェアの拡大や収益性の向上も期待されよう。

〇来週は海外投資家向け日本株セミナーが開催予定

来週は国内証券と外資系証券で、海外投資家向けの日本株セミナーが開催され、JPXの山道CEOの講演などが予定さてれいるほか、主要企業と投資家によるミーティングも数多く行われる。昨日発表された投資部門別売買動向では、海外投資家（現物）が3週ぶりの売り越しに転じているがセミナーを通じて日本株投資への関心が高まれば、新たな資金流入も期待されよう。

＜材料銘柄＞

• ソフトバンクＧ (9984): ウーバー、ソフトバンクＧ傘下の英自動走行ソフトウエア会社に投資
• ７＆ｉＨＤ (3382): ７＆ｉＨＤ買収資金、クシュタールはカナダ年金基金に接触－関係者
• 日本製鉄 (5401): 日鉄副会長、中国製鉄鋼に関税措置を－業界団体通じて政府に働きかけ
• テルモ (4543): 三菱ＵＦＪ銀や日本カストディ銀などが保有する普通株式を売り出しへ
• 三菱電 (6503): 300億円、発行済み株式数の0.96％を上限に自社株買いへ
• ＺＯＺＯ (3092): 「買い」に新規格付け、目標株価は6000円－ＢｏｆＡ
• エムスリー (2413): 「中立」格付け再開－東海東京
• アルプスＡ (6770): パワーインダクター事業をデルタ電に譲渡－約103億円
• じもとＨＤ (7161): 公的資金返済13年延期で金融庁と調整－日経
• ＳＣＳＫ (9719):「買い」に格上げ、目標株価は3240円－ゴールドマン・サックス
• トライアル (141A): 「買い」に新規格付け－みずほ証券
• ＴＯＷＡ (6315): １株を３株に分割、効力発生は10月１日
• 明電舎 (6508): 配当予想修正
• ノーリツ (5943): ＮＡＶなどが５％保有－大量報告
• ＪＭＤＣ (4483): 「アウトパフォーム」に新規格付け－東海東京
• ケアネット (2150): 「アウトパフォーム」に新規格付け－東海東京
• システナ (2317):「中立」に格下げ－いちよし経済研究所
• タイミー (215A):「アウトパフォーム」に新規格付け－岩井コスモ証券

＜本日の予定＞

【国内】

・閣議

・８月の都区部消費者物価指数（ＣＰＩ、総務省、８：30）

・７月の失業率（総務省、８：30）

・７月の有効求人倍率（厚労省、８：30）

・７月の鉱工業生産（速報値、経産省、８：50）

・７月の商業動態統計（経産省、８：50）

・３カ月物国庫短期証券の入札（財務省、10：20）

・７月の自動車輸出実績（自工会、13：00）

・７月の住宅着工統計（国交省、14：00）

【海外】

・７月の豪小売売上高（10：30）

・インドの４～６月期国内総生産（ＧＤＰ）

・８月のユーロ圏消費者物価指数（ＨＩＣＰ、速報値）

・７月のユーロ圏失業率

・７月の独失業率

・７月の米個人所得・個人消費支出（ＰＣＥ、21：30）

・８月の米シカゴ購買部協会景気指数（ＰＭＩ、22：45）

・８月の米消費者態度指数（ミシガン大学調べ、確報値、23：00）

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞