株式市場オーバーナイト概況(2024年8月7日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●日本株ADR
●US時間外
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●材料銘柄 
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：全セクターが上昇したが、セクターでは、通期のFFOガイダンスを引き上げた商業施設REITsのSimon Property Group(SPG)が5.1%でREITセクターの上昇を牽引した。金融は、金融市場の取引高上昇を背景に証券取引所系が上昇。コミュニケーション・サービスはMeta Platforms(META)+3.9%、好決算を発表したメディアのFox(FOXA)+6.7%。資本財・サービスは寄り前に予想を上回る決算を発表したUber Technologies（UBER)が+10.9%急伸した。情報技術は前日大幅安したNvidia(NVDA)が+3.8%反発。7月中旬のシステム障害以降大幅下落してた、セキュリティソフトのCrowdstrike(CRWD)も+4.3%上昇した。一般消費財・サービスは、クルーズ客船やカジノホテルらが大幅高となった。

＜US時間外＞

◇上昇銘柄◇

SWIM(建設): 2Q GAAP EPSは0.11ドルで予想の0.02ドルを上回り、売上高は1億6,012万2,000ドルで予想の1億5,825万ドルを上回った

INGN(ヘルスケア用品): 通期収益予測3.25億ドル～3.30億ドルは予想の3.22億ドルを上回る

◇下落銘柄◇

ABNB(インターネットメディア・サービス): 米国人旅行者の需要鈍化を警告し、３四半期連続でコンセンサス下

ZI(基盤ソフト): 2Q収益 2.91億ドル、市場予想3.79億ドル。調整後EPS 17c(予想24c)

＜日本株ADR＞

総じて下落も銀行は堅調

◇上昇銘柄◇

8252(丸井) 1Q営業利益 101億円、市場予想の84億円より上振れ

8766(東京海上) 1Q税引き前利益 2,650億円、増収増益

◇下落銘柄◇

4183(三井化学) 昨日場中の決算発表で上昇も、ADRでは売り旺盛

6367(ダイキン) 1Q売上高が過去最高。営業利益は1,154億円と前期比2.1％減

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・EVメタル全面安　ニッケル、インドネシアで増産とまらず

・国狙う攻撃、企業も5つの備え　取引先見直しや即時通報

・Intel 3を専門家分析、実力は5nm世代相当　20Aに期待

▼日本証券新聞▼

・介護離職防止へ中小支援　来春に改正法施行迫る

・レーザーテックが急反発　空売り筋に反論　調査報告は「不正なし」

・MCJ、1Q好発進　過去最高益で初の50億円超え

▼日刊工業新聞▼

・ユアサ商事、節電ユニット　9ヵ国1地域で独占販売

・ニッケル水素電池　FDK、寒冷地にも対応　車載機器向け容量1.2倍

・NTT東　レッドブルにJ3大宮株売却

▼化学工業日報▼

・東チタ、PE触媒参入　成形性改善、使用量を低減

・日本酸素HD　半導体向け 世界展開拡大　ジボラン増強 アジア相次ぎ　バルクガスも

・山東裕龍　大型精製・石化　1期年内稼働へ　エチレン能力300万㌧　「ティーポット」整理が生んだ巨龍

▼日経MJ▼

・円バウンド　店を変えた　エディオン、一等地は日本土産

・百貨店、免税初の3000億円超　1~6月売上高、既存店2.6倍

・イオン、横浜市の栄養基準もとに弁当開発　4都県で販売、職場でも健康配慮

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は、引き続き値振れの大きい不安定な展開となりそうだ。昨晩の米主要3指数は揃って反発となったほか、VIX指数も急低下（8/6：38.6→8/7：27.7）しており、投資家心理に少なからず落ち着きが見られる。ただ、夜間の日経平均先物は一時32,800円台まで下落するなど、日本株相場の先行き不透明感は依然として根強い。昨日は日経平均が記録的な上昇となる中でも、三井住友FGが逆行安となるなど、「病み上がり状態」がもうしばらく続きそうだ。

〇2018年の「VIXショック」が思い出される

直近の急落局面において、思い出されるのが2018年の「VIXショック」である。2018年は年初から日経平均が大幅高となったが、2月以降は米金融引き締め懸念に伴う長期金利の上昇によって、低位安定していたVIX指数が急騰した。そしてボラティリティの急上昇に伴って、「機械的な売り」が膨らんだ。今回もキッカケこそ異なるが、5日の急落はアルゴリズムトレードを巻き込んだ「機械的な売り」が下げに拍車を掛けたとみられる。2018年はその後、一旦戻りを試したものの、3月下旬にかけて再び下値を模索する展開となった。今回についても、目先は一旦リバウンドの動きが期待できようが、今後のイベント次第でもう一波乱ある可能性もある。ジャクソンホール会合（22～24日）やエヌビディアの決算（28日予定）など、重要イベントがリバウンドの持続性を左右することになりそうだ。

〇業績面を無視して売り込まれた好業績銘柄に注目

他方、2023年以降における日本株相場の上昇の根底にはインフレ転換やPBR改革など、「経済」「市場」「企業」という3つの変化に対する期待があった。直近の急落局面において、これらの変化に対する期待が揺らいだかと言えば、決してそうではないだろう。不安定な相場局面ではあるものの、「大局観」を持って冷静に対応する必要があると考えている。物色面では、波乱相場の中で業績面を無視して売り込まれた好業績銘柄に注目したい。また、昨日ザラ場に決算を発表した三菱重工に注目。4-6月期の受注高は前年同期比15％増の1兆8,475億円まで拡大しており、更なる業績拡大期待が株価の戻りにつながりそうだ。

＜材料銘柄＞

• 古河電工 (5801): １Ｑ営業利益、市場予想上回る
• シマノ (7309): 「買い」に格上げ、目標株価は3万円－シティ
• 日本ペイＨ (4612): 「オーバーウエート」格付け再開－ＪＰモルガン
• 第一生命Ｈ (8750): エフィッシモの株持ち分が10.7％に上昇－変更報告
• アイシン (7259):「アウトパフォーム」に格上げ－大和証券
• 東ガス (9531): ポルトガルで浮体式洋上風力発電に参画
• 大ガス (9532): ＡＤＮＯＣとＬＮＧ売買で覚書を締結－年間最大約80万トン
• ＪＴ (2914): 社債3000億円の発行を登録
• ソニーＧ (6758): 再提案を見送る、パラマウント巡り－日経
• 東京海上Ｈ (8766): １Ｑ純利益1,973.2億円
• ソフトバンク (9434): １Ｑ営業利益、市場予想上回る
• ダイキン工 (6367): １Ｑ営業利益、市場予想下回る
• ユニチャム (8113): ２Ｑ営業利益、市場予想上回る
• スズキ (7269):１Ｑ営業利益、市場予想上回る
• ＮＴＴデＧ (9613): １Ｑ営業利益、市場予想下回る
• シスメクス (6869):１Ｑ営業利益、市場予想上回る
• キリンＨＤ (2503): 通期純利益予想下方修正、市場予想下回る
• ファンケル (4921) : キリンＨＤがＴＯＢ価格を2800円に引き上げ－期間延長
• 出光興産 (5019):１Ｑ営業利益、市場予想上回る
• ヤマハ発 (7272): ２Ｑ営業利益、市場予想下回る
• 横河電 (6841): １Ｑ営業利益、市場予想下回る
• ＳＣＳＫ (9719): 「買い」に格上げ、目標株価は3200円－ジェフリーズ
• リコー (7752): １Ｑ営業利益、市場予想下回る
• ブラザー工 (6448): １Ｑ営業利益、市場予想下回る
• ＩＨＩ (7013): １Ｑ営業利益、市場予想上回る
• 参天薬 (4536): 通期売上高予想上方修正、市場予想上回る
• スクエニＨ (9684): １Ｑ営業利益、市場予想上回る
• ＪＲ九州 (9142): １Ｑ営業利益、市場予想とほぼ同じ
• ニチレイ (2871):通期営業利益予想上方修正、市場予想上回る
• ＡＬＳＯＫ (2331): １Ｑ営業利益、市場予想下回る
• 京王 (9008):連 1Q 営利 +41.1% 168.92億円
• 東応化 (4186):通期エレクトロニクス材料売上高予想を上方修正
• ゴールド (8111): 連 1Q 営利 -18.7% 18.39億円
  • 2Q 連 業績予想修正

＜本日の予定＞

【国内】

・４～６月の為替介入実績（日次ベース、財務省、８：50）

・７月上中旬の貿易統計（財務省、８：50）

・日銀の内田副総裁が函館市金融経済懇談会で挨拶（10：30）

・６月の景気動向指数（速報値、内閣府、14：00）

・消費活動指数（日銀、14時ごろ）

・日銀の内田副総裁が函館市金融経済懇談会で記者会見（14：30）

・６月期決算＝レーザーテク

・１～６月期決算＝アサヒ、ＳＵＭＣＯ、資生堂、クボタ

・４～６月期決算＝富士フイルム、神戸鋼、住友鉱、ソニーＧ、太陽誘電、ホンダ、オリンパス、ＮＴＴ、ニトリＨＤ、ソフトバンクグループ（ＳＢＧ）

【海外】

・７月の中国貿易統計

・７月末の中国外貨準備高

・米エネルギー省の石油在庫統計（週間、23：30）

・６月の米消費者信用残高（８日４：00）

・４～６月期決算＝ウォルト・ディズニー

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞