株式市場オーバーナイト概況(2024年7月3日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●材料銘柄 
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：セクターでは、TSLAが+10.2%で一般消費財・サービスが上昇。同社はQ2の納車台数が前年同期を下回ったものの、市場予想を上回った。前日売られた自動車小売のCarmax(KMX)とO’Reilly Automotive　(ORLY)もそれぞれ+2.9%、+2.0%と反発した。金融も朝から上昇。コミュニケーション・サービスは、傘下のBETネットワークの売却を検討中と報じられた、メディアのParamount Global(PARA)が+5.7%、Alphabet(GOOGL)とMeta Platforms(META)もプラス引けとなった。情報技術はOn Semiconductor(ON)　+5.4%、Advanced Micro Devices(AMD)+4.2%と半導体関連中心に上昇したが、Nvidia(NVDA)は-1.3%。一方で、ヘルスケアとエネルギーは軟調となった。

＜US時間外＞

出来高急減、4日のメモリアルデーを前に手控えか

◇上昇銘柄◇

PARA(メディア): パラマウント、ＢＥＴネットワークを16億ドルで売却交渉中

◇下落銘柄◇

SANA(バイオテクノロジー): 1Q調整後損失32セント

SLP(ソフトウェア): 3Q収益落ち込み、通期EPS予想を引き下げ、配当停止

＜日本株ADR＞

◇上昇銘柄◇

2875(東洋水産) 大和証が格下げし、昨日の日本市場では下落も、ADRでは買い

6976(太陽誘電) ゴールドマンがPT上げ、4,000円 ⇒ 4,800円

◇下落銘柄◇

6305(日立建機) 25年3月期の建機出荷は停滞予想

6770(アルプスA) ゴールドマンがPT上げ、1,500円 ⇒ 1,600円

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・テスラに見るSDV戦略　CPUに余力､センサー先読み搭載

・半導体材料、JSRが目指す業界再編　欧米に規模で対抗

・ファミマ､1万店が広告媒体　脱クッキーで保険や車も出稿

▼日本証券新聞▼

・ソニーGが10連騰　戻りのフシ突破　アナリスト評価高まる

・ダイセキ　1Q上振れの好スタート　主力事業は過去最高業績

・後発薬、需要拡大へ　東和薬品は生産能力増強

▼日刊工業新聞▼

・大同特殊鋼、真空焼鈍炉を発売　車部品　電気で熱処理

・デンマーク社　日立造船が買収　ゴミ発電施設アフター拡大

・マクセル、全固体電池開拓　新事業・M&A最大100億円

▼化学工業日報▼

・黒鉛電極 大口径品5割へ　レゾナック、30年めど

・手塗り型ポリウレア開発　ユニチカ　可使時間30分確保　高強度など3グレード  

・非半導体分野の売上高　フジミ、28年度25％まで　車向け研磨剤など拡大

▼日経MJ▼

・訪日韓国人、蔦屋へ呼び込み　ラウンジ無料/カフェで特典

・百貨店免税売上高　700億円超え　5月3.3倍、中国客増で押し上げ　全体は14%増4,692億円

・トランクルーム市場770億円　23年最多58万室、家賃高騰映す

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は、引き続き上値を試す展開となりそうだ。昨晩の米国株の上昇に加えて、直近の意外高によって売り方の買い戻しが一段と進もう。TOPIXは1989年12月に付けた史上最高値（2884.8pt）を試す場面もありそうだ。また、本日は小売り関連株の動向を注視したい。昨日発表された小売り各社の6月の既存店売上高は、ユニクロが前年同月比14.9％増、ニトリHDが同12.3％増、ABCマートが同20.8％と揃って2ケタの伸びとなっている。消費回復の遅れに対する懸念等から小売り関連株は出遅れ感が強く、その修正の動きとなれば相場全体の底上げにつながろう。

〇銀行株には一段の上値余地あり

昨日も三菱UFJFGを筆頭に、銀行など金融関連株が上昇の牽引役となった。過去を振り返ると、業種別株価指数の銀行業は概ね10年債利回りに連動している。2005年前後において、10年債利回りは約1.5%、銀行株指数は約400ポイントであった。単純比較はできないが、来年にかけて日銀の複数回の利上げを織り込みながら長期金利が一段と上昇する前提に立てば、銀行株指数（昨日の終値は362ポイント）には更なる上昇余地があるとみている。その他、保険会社の中でも長期債での運用比率が相対的に高い生保各社については長期金利の上昇によるメリットが大きいとみられ、第一生命などにも併せて注目したい。

〇意外に強い中小型のグロース株

他方、直近の相場全体の強さの背景にはバリュー株とグロース株の循環物色があると考えている。6月相場を振り返ると、スタイルインデックスではグロース系指数の上昇が目立った。前述の通り、直近では銀行株が上昇している半面、６月はTOPIX500バリュー指数と同グロース指数の比較では後者がアウトパフォームした。また、6月は出遅れ感のあった中小型株にも物色が向かい、TOPIXSmallグロース指数の上昇が最も大きかった点も見逃せない。同指数に採用されているライフドリンクや芝浦メカ、大阪ソーダ、Jマテリアルなどは業績面から見て、更なる上値余地もあるとみる。

＜材料銘柄＞

• ファストリ (9983): ６月国内ユニクロ既存店売上高+14.9％
• パナソニック (6752): 「ホールド」に格下げ－ジェフリーズ
• みずほＦＧ (8411): みずほ銀が中堅企業の支援強化、人員10倍の70人に－物言う株主対策も
• 自動車株：米自動車販売、６月に減速したもよう－高金利やサイバー攻撃が影響
• エーザイ (4523): 競合するイーライリリーのアルツハイマー病治療薬、ＦＤＡが認可
• ＬＩＮＥヤフー (4689): 韓国ネイバー、株式持ち分を短期的には売却せず－崔ＣＥＯ
• 良品計画 (7453): ６月直営既存店売上高 +14％
• ニトリＨＤ (9843):６月既存店売上高+12.3％
• 大東建 (1878): ６月建設事業受注高+9.4％
• 特殊陶 (5334): 「買い」に格上げ、目標株価は5700円－ＢｏｆＡ
• ＡＢＣマト (2670):６月既存店売上高+20.8％
• 出光興産 (5019): 千葉事業所で火災
• Ｕアローズ (7606):６月小売＋ネット通販既存店売上高+18.6％
• 大同特鋼 (5471): 「中立」に格下げ、目標株価は1600円－大和証券
• 冶金工 (5480): 「アウトパフォーム」に格上げ－大和証券
• ＩＩＪ (3774): 「買い」に格上げ、目標株価は2870円－ジェフリーズ
• 弁護士ＤＣ (6027): 「買い」に新規格付け－ジェフリーズ
• 東邦ＨＤ (8129): ３Ｄインベストメントの持ち分が上昇
• リログルプ (8876): 光通信などの株持ち分が8.2％に上昇－変更報告
• 霞ヶ関キャ (3498): 連 ３Ｑ 営利 +249.3% 36.43億円

＜本日の予定＞

【国内】

・新紙幣の発行開始

・公的年金の財政検証を公表（厚生労働省）

・７月の日銀当座預金増減要因見込み（８：50）

・需給ギャップと潜在成長率（日銀、14：00）

【海外】

・６月の財新中国非製造業購買担当者景気指数（ＰＭＩ、10：45）

・５月の豪小売売上高

・ポーランド中銀が政策金利を発表

・ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁がＥＣＢフォーラムの討議に参加（20：00）

・６月のオートマチック・データ・プロセッシング（ＡＤＰ）全米雇用リポート（21：15）

・米新規失業保険申請件数（週間、21：30）

・５月の米貿易収支（21：30）

・６月の米サプライマネジメント協会（ＩＳＭ）サービス業景況感指数（23：00）

・５月の米製造業受注（23：00）

・米エネルギー省の石油在庫統計（週間、23：30）

・米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）議事要旨（６月11～12日開催分、４日３：00）

・独立記念日の前日で米株式・債券市場が短縮取引

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞