株式市場オーバーナイト概況(2024年7月29日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●今週の相場
●材料銘柄 
●今週の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：ほぼ全面高となり、セクターでは、朝から資本財・サービスが上昇。日用品・工業品メーカーの3M(MMM)が通期の利益見通しを引き上げて+23.0%急伸した他、鉄道のNorfolk Southern(NSC)も予想を上回る決算を発表して+10.9%。素材も上昇、建築資材のMartin Marietta Materials(MLM)が+3.4%、同業のVulcan Materials(VMC)も+3.1%、化学のEastman Chemical(EMN)が+3.7%。不動産や金融も上昇。一方で前日ベストパフォーマーとなったエネルギーは、サービスのBaker Hughes(BKR)が好決算とガイダンス引き上げを発表して+5.8%上昇したが、セクターは小幅高にとどまった。

＜US時間外＞

◇上昇銘柄◇

PI(電子部品): Lake Streetは”Buy”継続、目標価格を190ドルに引き上げた

PEGA(アプリケーション): バークレイズがイコール・ウェイトを維持、目標株価を74ドルに引き上げ

◇下落銘柄◇

MXL(半導体素子): 第3四半期の収益は約$70Mから$90M、EST$111.2Mから下方乖離

TER(半導体製造): シティグループは”Buy”を維持、価格目標は162ドルに引き下げる

＜日本株ADR＞

総じて上昇

◇上昇銘柄◇

9501(東京電力) 五井発電所、最新鋭の火力発電所が8月に運転開始

6988(日東電工) 通期営業利益予想を上方修正、1,400億円⇒1,800億円

◇下落銘柄◇

6305(日立建機) ゴールドマンが”中立”に格下げ、PT 4,400円

8795(T&D) モルガンスタンレー証が”イコール・ウェート”に格下げ、PT 3,190円

＜今週の相場＞

今週の日本株相場は落ち着き処を探る展開を想定する。先週末の米国株の大幅上昇を受けて、週明けはリバウンドスタートとなろうが、日経平均は7月11日につけた史上最高値（42,224円）から約11％の下落と値幅が出ており、依然不安定な状況が続きそうだ。一方、日経平均の予想EPSは高値圏で推移し、日本企業のファンダメンタルズに大きな変化があったわけではない。ドル円相場の動きが大きく、投機筋によるポジション解消（円買い・日本株売り）が、想定以上に下げを加速させている側面もあろう。米国ハイテク株の動向を睨みつつ、本格反転のタイミングを計る局面といえそうだ。

〇金融イベント通過後は企業業績が焦点に

今週は、週半ばに日米の中銀会合が予定されている。FOMCについては現状維持で大きな波乱はないとみているが、日銀会合では金融政策変更の有無を巡り、為替市場が不安定な動きとなる可能性がありそうだ。もっとも、先週までの波乱相場で織り込みが進んだとみられ、日銀会合通過後はアク抜け感が出ることが期待できよう。また国内では3月期決算企業の1Q（4-6月）決算発表が本格化する。前半戦の今週は半導体や電子部品などの主力ハイテク企業が目白押しだ。今回の調整局面で下げが大きかっただけに、良好な内容が確認できれば反転のキッカケとなろう。尚、先週末引け後の決算ではスクリンが良好な1Qで見通しもコンセンサス（QC）並みと好内容。また、信越化は通期計画がQCに届いていないが保守的とみられ、いずれも週明けは好感する動きとなりそうだ。

〇好決算や円高メリットの内需関連株に注目

そのほか物色では、ドル高円安が一服していることで輸入コスト低下が業績改善につながる小売などの内需関連株が注目できそうだ。インバウンド需要への影響も1ドル＝150円台前半は十分円安水準で軽微とみており、引き続き物色されよう。また、好決算を発表した銘柄は波乱相場でも底堅く推移しており、押し目買いスタンスをキープしたい。

＜材料銘柄＞

• ファストリ (9983): 「買い」に新規格付け－President Capital Management
• ＳＯＭＰＯ (8630): 「オーバーウエート」に格上げ－モルガンＳ
  • 損保協会が純投資の共通基準、政策株ゼロへ透明性確保－日経
• Ｔ＆ＤＨＤ (8795): 「イコール・ウエート」に格下げ－モルガンＳ
• エーザイ (4523): エーザイとバイオジェンのアルツハイマー薬、欧州当局が否定的勧告
• 三菱自 (7211): ホンダ・日産連合に合流へ－日経
• トヨタ (7203): 福岡にＥＶ向けリチウムイオン電池の工場建設へ－日経
• キーエンス (6861): １Ｑ営業利益、市場予想とほぼ同じ
• 信越化 (4063): 通期営業利益予想、市場予想下回る
• 日東電工 (6988): 通期営業利益予想上方修正、市場予想上回る
• スクリンＨ (7735): 通期営業利益予想上方修正、市場予想下回る
• 大塚ＨＤ (4578): 上期売上高予想を上方修正
• 信金中金 (8421): 連 1Q 税前 +55.8% 191.57億円
• エムスリー (2413): １Ｑ営業利益、市場予想上回る
• ＳＧＨＬＤ (9143): Ｓ１Ｑ営業利益、市場予想上回る
• 日立建機 (6305): １Ｑ調整後営業利益325.0億円－前年同期375.7億円
  • 「中立」に格下げ、目標株価は4400円－ゴールドマン・サックス
• ミスミＧ (9962): １Ｑ営業利益、市場予想上回る
• 東京応化 (4186): 通期営業利益予想上方修正、市場予想とほぼ同じ
• キヤノン (7751): 「アウトパフォーム」に格上げ－岩井コスモ証券
• 古河電工 (5801): 「アウトパフォーム」に格上げ－ＳＭＢＣ日興
• フジクラ (5803): 「アウトパフォーム」に格上げ－ＳＭＢＣ日興
• セガサミＨ (6460): ステークロジック買収－企業価値1.3億ユーロ
• 小林製薬 (4967): 厚労省、紅麹原料供給関連で小林製薬からの報告漏れが判明
• 七十七銀行 (8341): 連 1Q 税前 +31.5% 165.22億円
• ＳＭＳ (2175): １Ｑ営業利益、市場予想下回る
• タツタ電線 (5809): エネオス子会社ＪＸ金属がＴＯＢ価格引き上げ－期間延長
  • 連 1Q 営利 +81.1% 9.78億円
• 椿本チ (6371): １Ｑ営業利益40.9億円－前年同期38.8億円
• マネクスＧ (8698): １Ｑ純利益24.7億円－前年同期24.1億円
• 帝国ホテル (9708): 連 1Q 営利 -15.8% 6.29億円
• ネクソン (3659): ＮＸＣ　ＣＯＲＰＯＲＡＴＩＯＮなどの株持ち分が低下
• イエロハト (9882): ストラテジックＣが株を5％保有－大量報告
• 栄研化 (4549): ＮＡＶなどの持ち分が14.3％に上昇－変更報告

＜今週の予定＞

◇29日（月）

・東証グロース上場＝Ｌｉｂｅｒａｗａｒｅ

・ＱＵＩＣＫ月次調査＜債券＞（11：00）

・４～６月期決算＝さくらネット、塩野義、コマツ、ファナック、松井、アイザワ証Ｇ

・タイ市場が休場

・海外４～６月期決算＝マクドナルド

◇30日（火）

・６月の有効求人倍率（厚労省、８：30）

・６月の失業率（総務省、８：30）

・東証グロース上場＝Ｈｅａｒｔｓｅｅｄ

・ＪＰＸ山道ＣＥＯの記者会見（15：30）

・４～６月期決算＝ＯＬＣ、ＮＥＣ、ＴＤＫ、村田製、三井住友トラ、野村、丸三、水戸、いちよし、日本取引所、ＪＲ東海、関西電

・７月の独消費者物価指数（ＣＰＩ）速報値

・４～６月期のユーロ圏国内総生産（ＧＤＰ）速報値

・５月の米Ｓ＆Ｐコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数（22：00）

・７月の米消費者信頼感指数（23：00）

・６月の米雇用動態調査（ＪＯＬＴＳ）（23：00）

・海外４～６月期決算＝プロクター・アンド・ギャンブル（Ｐ＆Ｇ）、メルク、ファイザー、アドバンスト・マイクロ・デバイス（ＡＭＤ）、マイクロソフト

◇31日（水）

・日銀金融政策決定会合の結果発表

・７月の「経済・物価情勢の展望（展望リポート）」（日銀）

・日銀の植田和男総裁が記者会見

・６月の鉱工業生産速報値（経産省、８：50）

・６月の商業動態統計（経産省、８：50）

・東証スタンダード上場＝Ｆａｂｅｒ　Ｃｏｍｐａｎｙ

・６月の建機出荷（建設機械工業会、13：00）

・６月の自動車輸出実績（自工会、13：00）

・７月の消費動向調査（内閣府、14：00）

・６月の住宅着工統計（国交省、14：00）

・４～６月期決算＝武田、第一三共、豊田織、日立、三菱電、ソシオネクス、パナＨＤ、アドテスト、デンソー、豊田通商、住友商、りそなＨＤ、みずほＦＧ、東洋、東海東京、丸八証券、ＪＲ東日本、商船三井、東電ＨＤ、九州電、北海電

・７月の為替介入実績（財務省、19：00）

・７月の中国製造業購買担当者景気指数（ＰＭＩ、10：30）

・７月の中国非製造業ＰＭＩ（10：30）

・４～６月期の香港ＧＤＰ

・４～６月期の台湾ＧＤＰ

・６月の豪小売売上高

・７月のユーロ圏消費者物価指数（ＨＩＣＰ、速報値）

・７月の独失業率 

・７月のＡＤＰ全米雇用リポート（21：15）

・４～６月期の米雇用コスト指数（21：30）

・７月の米シカゴ購買部協会景気指数（ＰＭＩ、22：45）

・６月の米仮契約住宅販売指数（23：00）

・米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の結果発表（１日３：00）

・パウエル米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長の記者会見（１日３：30）

・海外４～６月期決算＝ボーイング、クアルコム、アーム・ホールディングス、メタプラットフォームズ、ラムリサーチ

・ブラジル中銀が政策金利を発表

◇８月１日（木）

・ＱＵＩＣＫコンセンサスＤＩ（８：30）

・対外・対内証券売買契約（週間、財務省、８：50）

・７月の新車・軽自動車販売台数（自販連、全軽自協、14：00）

・４～６月期決算＝アステラス、日本製鉄、京セラ、トヨタ、ＨＯＹＡ、丸紅、三井物、三菱商、三菱ＵＦＪ、大和

・７月の財新中国製造業ＰＭＩ（10：45）

・６月の豪貿易収支

・６月のユーロ圏失業率

・英中銀が金融政策委員会の結果と議事録を発表 

・チェコ中銀が政策金利を発表 

・スイス市場が休場 

・週間の米新規失業保険申請件数（21：30）

・４～６月の米労働生産性指数（速報値）（21：30）

・７月の米サプライマネジメント協会（ＩＳＭ）製造業景況感指数（23：00）

・６月の米建設支出（23：00）

・海外４～６月期決算＝アップル、インテル、アマゾン・ドット・コム

◇２日（金）

・閣議

・７月のマネタリーベース（日銀、８：50）

・３カ月物国庫短期証券の入札（財務省、10：20）

・７月の財政資金対民間収支（財務省、15：00）

・７月の国内ユニクロ既存店売上高（15：00すぎ）

・４～６月期決算＝イビデン、エーザイ、任天堂、あおぞら銀、三井住友ＦＧ、ＳＢＩ、三井不、川崎汽、ＫＤＤＩ

・１～６月期決算＝ＪＴ

・７月の米雇用統計（21：30）

・６月の米製造業受注（23：00）

・海外４～６月期決算＝シェブロン

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞