株式市場オーバーナイト概況(2024年7月19日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●材料銘柄 
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：NYダウは横ばい圏で取引を開始。エネルギーセクターは堅調だったが、前日まで上昇していた金融セクターが売りに押された。一方、半導体株が支えとなり、ナスダック指数は上昇して始まった。なかでも「中国と台湾に対する半導体業界の規制から利益を得る可能性がある」との見方が広がったインテル（+1.2%）の上昇が目立つ。もっとも午後にかけて、主要3指数は売りに押され、揃ってマイナス圏での推移になった。スイス製薬大手のロシュが「肥満症治療候補薬が初期試験で好結果」と発表したことが嫌気され、直近軟調だったイーライ・リリー（-6.3%）などヘルスケアセクターが相場の重石だった。その後も米国株は冴えない動きが続き、NYダウの下げ幅は一時600ドル超に。最終的に主要3指数は、揃って下落して取引を終えた。個別では、4-6月期の利益が市場予想を上回ったDRホートン（+10.1%）が上昇した一方、2024年の海外店舗成長目標を下方修正したドミノ・ピザ（-13.6%）が下落した。

＜US時間外＞

◇上昇銘柄◇

SGRY(ヘルスケア): ベインが支援する外科手術パートナーが売却の可能性を検討中と報道

ISRG(医療機器): 2Q調整後EPSが市場予想を上回った、調整後EPS $1.78, 市場予想 $1.54 

◇下落銘柄◇

SCHL(出版): 4Q調整後1株当たり利益が前年同期の2.26ドルに対して1.73ドルだったと報告

＜日本株ADR＞

◇上昇銘柄◇

5401(日本製鉄) H型鋼の価格は高止まり、値上げ姿勢継続

6762(TDK) 1Q決算プレビューは前年同期比横ばい、前四半期比で増加を予想（Bloomberg)

◇下落銘柄◇

6753(シャープ） 1Q決算プレビュー、液晶パネル事業の低迷により、6月期第1四半期に営業損失を計上する可能性があるが、第4四半期よりは赤字幅が小さくなる可能性（Bloomberg）

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・米ディーラー襲ったサイバー攻撃　身代金40億円で収拾へ

・TSMC誘致の裏側、半導体工場の水問題解決　前熊本知事

・ヤマト運輸､宅配便のCO2相殺　世界初ISO準拠で｢信頼性｣

▼日本証券新聞▼

・半導体関連　米国のショック安波及　AI主導の成長性は不変

・航空燃料、増産や輸入を強化　伊藤忠は韓国から初輸入

・ロート製薬　逆行高で高値更新　中低価格化粧品の好調など評価

▼日刊工業新聞▼

・日本製紙、PFAS不使用　食品包装向け耐油紙

・太陽誘電　ウエアラブル端末向け　小型インダクター量産

・北陸電、出力制御解消へ　エコキュート遠隔管理　昼間の電力需要を創出

▼化学工業日報▼

・レゾナックのCDMO子会社　再生医療の米進出支援　エコシステムへ企業連携

・旭化成　CO₂由来化学品　ライセンス事業拡大　LiB電解液原料　初案件商用で弾み　ポリカーボネート　年20万㌧技術確立

・コニカミノルタ　IJ電子材料 事業化へ　レジスト・絶縁材料・粘着材料　半導体などに提案

・中国CDMO業界に地殻変動㊦　米国規制 海外進出で回避　拠点新設やM&A活用　日系も強い関心

▼日経MJ▼

・就活AI VS 採用AI　就活にもAIの波が到達　24時間働く面接官　「人より公平」？

・エステー、「消す」から「香る」へ　脳波計測、体への影響　科学で解明　横浜FCファン向けや疑似森林浴

・「桃鉄」で授業　小学校の2割　社会・国語・算数…「地元入れて」要望も

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は方向感なく推移しよう。昨晩の米国株市場では、ハイテク株への売りが景気敏感株や中小型株へと波及しており、日本株市場でもその流れを引き継ぐ展開となりそうだ。日経平均は40,000円が心理的節目となっており、下回ると、CTAなどトレンドフォロー型の投資家のロスカットなども起こりやすい。週末で積極的な買いが手控えられる中、日経平均株価は引け値で40,000円を上回って終われるかがカギとなろう。

〇投資家の関心は徐々に企業業績へ

もっとも、2018年の貿易摩擦からスタートした米中対立はすでに6年目に突入しており、輸出規制強化の対象となる企業側もある程度の対策が進んでいるだろう。来週からは国内でも主要企業の決算発表が本格化していくことから、スピード調整後は次第に個別企業の業績動向を睨んだ物色へと変化していこう。一足早く決算シーズンに突入している米国株市場でも、好決算を発表した企業は素直に評価されており、業績を軸とした個別株物色への意欲は旺盛だ。全体が波乱含みで推移する場面は、好業績銘柄を中心に押し目買いの好機と考える。

〇出遅れ修正の動きが強まる内需株

米国の保護主義政策に対する不透明感や、円高進行などが投資家心理の重しとなっており、物色面では外部環境の影響を受けづらい内需株への関心が改めて高まろう。内需株は外需株と比べても年初から出遅れており、見直し余地が大きい。直近の株価上昇を牽引していた主力輸出株が利益確定売りに押される中、資金の逃避先としても選好されやすいと考える。また、夏休みで外出・旅行の機会が増加することも、関連銘柄への追い風となりそうだ。円上昇による調達コストの低下が追い風となるセリア(S2782)や神戸物(3038)などの小売株のほか、JR東海(9022)やJR九州(9142)などの鉄道株に注目したい。尚、昨日引け後に発表されたディスコ(6146)の決算では、生成AI関連の需要拡大に伴い、7-9月期の出荷額が引き続き最高水準で推移する見通しで、まずまずの内容。未定としていた中間配当も前期比で大幅増額しており、相場の落ち着きと共に戻りを試す展開となりそうだ。

＜材料銘柄＞

• ＭＵＦＧ (8306): 亀澤社長ら首脳３人を報酬減額処分へ、行政処分受け－共同
  • 「買い」に格上げ、目標株価は2070円－岡三証券
• 日立 (6501): ボッシュがＪＣＩの空調事業買収で有力候補、日立との合弁も－関係者
• 三菱商 (8058): 「中立」に格下げ－東海東京
• ディスコ (6146): １Ｑ営業利益、市場予想下回る
• アステラ薬 (4503): 「ホールド」に格下げ、目標株価は1700円－ジェフリーズ
• トヨタ (7203)など自動車各社：欧州新車販売、６月は増加－イタリアがＥＶ補助金導入で需要急増
• ファンケル (4921): 香港ファンドのファンケル株取得、キリンへの挑戦に波及も
• グリコ (2206): ダルトン・インベストメンツが株5.1％保有－大量報告
• ジャフコＧ (8595)：タイミー公開価格は1450円に決定、仮条件のレンジ上限－ジャフコやサイバーエージェントなどが売り出し
• ペプチＤ (4578)：新型コロナ治療薬候補品PA-001の臨床試験開始届申請を米ＦＤＡが承認と関連会社発表
• トランコム (9058): ＮＡＶなどの株持ち分が10.3％に上昇－変更報告
• エンＪＰＮ (4849): 通期純利益予想上方修正、市場予想上回る
• ブロンコＢ (3091): 連 2Q 営利 +114.6% 12.21億円

＜本日の予定＞

【国内】

・閣議

・６月の全国消費者物価指数（ＣＰＩ、総務省、８：30）

・対外・対内証券売買契約（週間、財務省、８：50）

・３カ月物国庫短期証券の入札（財務省、10：20）

・６月の訪日外国人客数（日本政府観光局、16：15）

・４～６月期決算＝光世

【海外】

・ボウマン米連邦準備理事会（ＦＲＢ）理事が講演（８：45）

・マレーシアの４～６月期国内総生産（ＧＤＰ、速報値）

・６月の英小売売上高（15：00）

・ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が講演（23：40）

・４～６月期決算＝アメリカン・エキスプレス

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞