株式市場オーバーナイト概況(2024年7月11日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●材料銘柄 
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：ほぼ全面高となったが、セクターでは、朝から情報技術が上昇。オーバーナイトで台湾セミが予想を上回る4-6月期売上を発表し、寄り前にはAdvanced Micro Devices(AMD)が欧州のAI新興企業の買収で合意したことが好感され+3.9%、半導体が上昇を主導した。素材は前日大幅安した化学のAlbemarle (ALB)が+7.1%反発。鉱山のNewmont(NEM)は証券会社の投資判断引き上げを受けて+3.6%。コミュニケーション・サービスは、Alphabet(GOOGL)+1.2%、Meta Platforms(META)+0.9%。金融は証券会社が投資判断を引き下げた、決済処理サービスのMastercard(MA)とVisa(V)が下落し、セクターの重しとなった。

＜US時間外＞

◇上昇銘柄◇

WDFC(化学品メーカー): 第3四半期の利益が予想を上回り時間外で上昇

FUTU(オンライン証券): 子会社が香港証券先物委員会 (SFC) によるタイプ 1 ライセンスをアップグレードし、仮想資産取引サービスを追加したことを発表

◇下落銘柄◇

特に目立ったニュースなし

＜日本株ADR＞

総じて堅調

◇上昇銘柄◇

4188(三菱ケミカル)  田辺三菱製薬は、米モデルナと新型コロナウイルスワクチン「スパイクバックス筋注」を含むｍＲＮＡ呼吸器ワクチンの日本での共同プロモーション契約を締結

SOX指数+2.4％でハイテク株上昇、6857（アドテスト）+2.97％、6146（ディスコ）+2.81％、8035（東エレク）+2.60％

◇下落銘柄◇

特に目立ったニュースなし

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・ペロブスカイトの要「ヨウ素」、ENEOS増産 日本の埋蔵最多

・レゾナック、海洋プラから水素　自治体と回収・再利用

・BYDよりトヨタ　ブラジル、バイオHV優遇で呼ぶ巨額投資

▼日本証券新聞▼

・ランサムウェアの脅威　対策でマクニカが浮上　ロシアと西側諸国の対立で問題は根深く

・サッポロ、書簡を好感9％高　「3Ｄ」の継続買い銘柄は？

・上半期リストラ急増　3年ぶり年間一万人へ　コニカミノルタ、オムロン　大規模化目立つ

▼日刊工業新聞▼

・自転車シェアライバル組む　ドコモ・ソフトバンク　ポート相互利用可能に

・ソニーG、新会社　「パルワールド」ライセンス事業

・三菱電・米ノースロップグラマン　防衛装備品日米に提供

▼化学工業日報▼

・日本化薬　注射製剤 200億円投資　抗がん剤　高崎で増設検討　バイオ研究施設、26年度稼働

・LiB用熱制御部材　28年に販売量2.5倍　三菱ケミG　茨城に大型試作機

・クアーズテック　半導体向けセラ増産　日本で相次ぎ新設備稼働

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は上値を試す展開となりそうだ。昨日発表されたTSMCの4-6月期の売上高速報は市場予想を上回った。加えて、米国株市場ではパウエルFRB議長がインフレの鎮静化について引き続き前向きなコメントを残している。これを受け、米国株市場でエヌビディア等ハイテク株が堅調推移となっており、日本株市場でもその流れを引き継ぐ形となろう。尚、本日引け後には半導体関連企業のローツェ（6323）と日経平均寄与度の高いファストリ（9983）が決算を発表予定で、注目したい。

〇業績成長をテーマに選別物色が進もう

足元の日本株は循環物色が相場の下支えとなっている。一方、東証プライムの年初来高値更新銘柄数は指数の強さに反して減少傾向にあり、物色が継続している銘柄は一部に留まっている。週末にかけては3-5月期決算発表がピークを迎えるほか、7月下旬からは4-6月期決算発表がスタートする。足元の日本株の買戻しの背景の一つが、保守的な期初見通しに対する業績上振れ期待であることから、買戻し一巡後は個別企業の業績動向を睨んだ物色が一段と進もう。業績成長への期待を追い風に、日立や富士フイルム、NECやリクルートなどの「強い銘柄が更に強い」展開は今後も継続しそうだ。

〇スマホ＆PC回復が追い風な電子部品株に注目

物色面では、戻り歩調が続く電子部品株に注目。昨晩「米アップルは、年後半に発売予定の生成AI機能を搭載した新型iPhoneについて、少なくとも前機種比10％増の9,000万台を出荷することを目標」と伝わった。また、セラミックコンデンサなどの電子部品は半導体の働きを制御する上でも重要となってくる。村田製（6981）やTDK（6762）、太陽誘電（6976）など関連銘柄にとっては、受注増加に伴う業績成長が期待できよう。そのほか、夏休みに向けた人の移動やレジャー需要の高まりが追い風となる企業も物色されている。中でも、レジャー施設が好調→グッズなどの売上拡大でIP（知的財産）の知名度向上に伴う関連ビジネスの成長が期待できるサンリオ（8136）や任天堂（7974）に注目したい。また、お土産を手掛ける寿スピ（2222）やゲームセンターなどを展開するラウンドワン（4680）なども戻り歩調を辿っており、追随したい。

＜材料銘柄＞

• ＭＵＦＧ (8306): 印イエス銀株式51％にＭＵＦＧや三井住友Ｆ、中東の銀行が関心－関係者
• 山崎パン (2212): 「買い」に格上げ、目標株価は4050円－ゴールドマン・サックス
• 住友ゴム (5110): 「中立」に格上げ、目標株価は1700円－ゴールドマン・サックス
• 住友大阪 (5232): 「オーバーウエート」に格上げ－ＪＰモルガン
• 吉野家ＨＤ (9861): 連 1Q 営利 -38.6% 8.80億円
• ＳＯＭＰＯ (8630): 公取委事務総長、損保４社に独禁法違反で行政処分案を通知－価格調整
• 東京海上Ｈ(8766):委託先でランサムウエア被害－情報漏えいの恐れ
• ７＆ｉＨＤ (3382): ６月セブン―イレブン・ジャパン既存店売上高-0.5％
• パンパシＩ(7532) :６月ディスカウント事業既存店売上高+12.5％
• コクサイＥ (6525):ＫＫＲとＫＳＰ ＫｏｋｕｓａｉがコクサイＥ株を売り出しへ
• サッポロＨ (2501): サッポロビール、山梨県内のワイナリーと長野県のぶどう園を閉鎖
• ＳＢＩＨＤ(8473)：海外市場でＣＢ発行へ、1000億円
• ＭＯＮＯＴ(3064):６月単体売上高+5.6％
• サイゼリヤ (7581): 通期配当予想上方修正、市場予想上回る
• ＳＨＩＦＴ (3697): 連 3Q 営利 -14.2% 70.63億円
• ベルク (9974): 連 1Q 営利 -11.3% 37.31億円
• イオン北海 (7512): 単 1Q 営利 -10.7% 15.40億円
• コメダＨＤ (3543): 連 1Q 税前 -6.1% 21.09億円(IFRS)
• ベル２４Ｈ (6183): １Ｑ営業利益26.0億円－前年同期41.4億円
• ホギメディ (3593): 連 1Q 営利 +2.5% 13.35億円
• イオン九州 (2653): 連 1Q 営利 -63.9% 7.01億円
• セプテニＨ (4293): 「イコール・ウエート」に格上げ－モルガンＳ
• コシダカＨ (2157): 連 3Q 営利 +18.3% 70.47億円
  • 配当予想修正
• 技研製 (6289): 連 3Q 営利 +30.4% 28.37億円
• ミニスト (9946): 連 1Q 営利 赤字拡大 -13.38億円

＜本日の予定＞

【国内】

・対外・対内証券売買契約（週間、財務省、８：50）

・５月の機械受注（内閣府、８：50）

・20年物国債の入札（財務省、10：30）

・６月のオフィス空室率（三鬼商事）

・６月の投信概況（投資信託協会、15：00）

・３～５月期決算＝セブン＆アイ、ローツェ、ベイカレント、ヴレインＳ

・９～５月期決算＝ファストリ

【海外】

・クックＦＲＢ理事が講演（８：30）

・韓国中銀が政策金利を発表

・マレーシア中銀が政策金利を発表

・米新規失業保険申請件数（週間、21：30）

・６月の米消費者物価指数（ＣＰＩ、21：30）

・６月の米財政収支（12日３：00）

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞