株式市場オーバーナイト概況(2024年7月10日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●材料銘柄 
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：セクターでは、金曜から決算発表が始まる金融セクターが朝から堅調。ヘルスケアはまちまちだがセクターは上昇。公益や不動産もかろうじてプラスとなった。情報技術はNvidia(NVDA)+2.5%、Applied Materials(AMAT)+2.1%と、半導体大型が上昇を主導したが、ソフトウェアは売られ、セクターはほぼ横ばい。一方で、素材は化学のAlbemarle(ALB)が複数の証券会社の目標株価引き下げを受けて、-8.8%と大幅安。同じ証券会社が他の化学銘柄の目標株価も引き下げており、セクターの重しとなった。エネルギーも下落。資本財・サービスは鉄道やトラック輸送が売られ、ダウ輸送株指数(TRAN)は3日続落。　

＜US時間外＞

◇上昇銘柄◇

SGH(半導体素子): 3Q決算発表、調整後EPS 37c(予想30c)

EXAI(バイオテクノロジー): COWENが新規に買いでカバレッジ開始

◇下落銘柄◇

LZ(法務サービス): 通期収益予想を2,500万ドル程度引き下げ

＜日本株ADR＞

軟調に推移した銘柄多い

◇上昇銘柄◇

6098(リクルート) 自己株取得を公表、6,000億円・8,700万株上限（25年7月までに）

4661(OLC) 3,300億円を投じて28年度にクルーズ事業を開始と発表

◇下落銘柄◇

6753(シャープ) シャープ三重第一工場、半導体生産ラインに転用をアオイ電子と合意

2579(コカ・コーラBJH) 昨日の日本市場では直近4か月で最大の上昇、3.6％高

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Prime▼

・TOPPANHD、課程重視の研究者評価　事業創出へ挑戦促す　CTOに聞く

・コングロマリット効果という｢お化け｣　M&A阻む根拠に

・電動キックボードLuup｢各地域で粗利｣　道交法改正1年

▼日本証券新聞▼

・フジクラが急騰　上場来高値更新　米コーニングの上方修正が刺激材料に

・EduLab、ストップ高　学力テスト、全面オンライン化へ

・ガンホー、新高値　ディズニーキャラの新作ゲーム発表

▼日刊工業新聞▼

・JCU、半導体表面処理薬　熊本に全自動生産設備

・日本製鋼所、安定性向上　ゴム用射出成形電動化

・トプコン　初心者も自動計測　3Dスキャナーなど発売

▼化学工業日報▼

・稲畑産業　タイで製造・物流増強　樹脂設備更新／倉庫能力1.5倍　リサイクル第2工場検討

・旭有機材　電材向け樹脂 用途拡大　先端向けレジスト評価進展　低メタル技術活用　半導体後工程も

・協和キリン　バイオ人材育成 本腰　高崎工場に訓練設備　実機とシミュレーションで研修

・日本製鋼所　全電動のゴム射出成形機　消費電力など半減　硬度90まで対応

▼日経MJ▼

・「リスクは横山さん」89歳の決断　アークス社長譲る　直前に「ありがとう」　多岐亡羊、分散経営で勝つ

・就活、「ガクチカ」よりも学業？　履修データで達成力など評価

・充電器シェア、国内外で「スぺパ」　インフォリッチ、6万台展開　自販機や券売機、AEDにも

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は、方向感に乏しい展開となりそうだ。昨晩のパウエルFRB議長の議会証言は目新しさに乏しく、相場への影響は限られよう。日本株は昨日の大幅高の反動で利益確定の売りが出やすい一方で、急ピッチの株高に乗り遅れた投資家も多いと見られ、下げた局面では押し目買いが入り、相場の下支えとなりそうだ。なお、本日はETFの分配金捻出に伴い8,000億円程度の売り需要が発生すると見込まれている。同様の理由で4,700億円程度の売りが発生した8日の日経平均株価は安値引けとなっており、本日も引けにかけては上値の重さが意識されようが、足元の相場の地合いは良好で影響は限られそうだ。

〇バリュエーション面の割安感は薄れてきた

昨日の日本株相場は、これまで動きが強かった防衛関連株や金融株が利食い売りに押される一方で、出遅れていた半導体関連株が買われるなど循環物色が進んでおり、相場の基調は強そうだ。他方で、相場上昇で日経平均株価の予想PERは、今春に日経平均株価がバブル期の高値を更新した際と同水準まで上昇している。バリュエーション面の割安感は薄れてきており、相場全体がここから一段と上昇するためには、今後の決算発表でEPSの切り上がりが必要となりそうだ。

〇工作機械関連に注目

昨日引け後に発表された6月の工作機械受注総額（速報）は、前年同月比9.7％増と、外需の伸びが寄与し2ヵ月連続で前年実績を上回った。内需は22ヵ月連続減少の同0.1％減と依然マイナス圏での推移に留まっているが、昨夏を底に回復傾向で推移している。先日発表された日銀短観では企業の旺盛な設備投資意欲が示されており、工作機械関連の企業は今後も受注の改善が期待されそうだ。個別企業では、アマダ（6113）やDMG森精（6141）などに注目したい。アマダの自社開発のレーザ発振器を搭載したファイバーレーザーマシンは、CO2の削減など環境性能に優れており、既存設備の更新需要を中心に堅調な業績が期待されそうだ。また、DMG森精は工程集約や自動化など、顧客企業の課題解決に繋がる高付加価値のソリューション提案を推進しており、収益性の向上が期待されよう。

＜材料銘柄＞

• トヨタ (7203): トヨタなどの米国外勢、自動車生産台数で初めてビッグスリー上回る
• リクルトＨ (6098): 6000億円上限に自己株取得へ－全額自己資金で充当
• オリランド (4661): 28年度にクルーズ事業を開始－3300億円を投資
• ディスコ(6146):４－６月期営業利益は前年同期比９割増の320億円前後－日経
• 富士フイルム (4901): 「ホールド」に格下げ－ジェフリーズ
• コクサイＥ (6525): 株式売り出しや自己株取得など資本政策や株主政策検討
  • 米ＫＫＲ、コクサイＥ持ち分の半数売却を計画－ロイター
• 三菱自 (7211): 「買い」に格上げ、目標株価は610円－シティ
• ヒロセ電 (6806): 「オーバーウエート」に格上げ－モルガンＳ
• 住友化 (4005): 持ち分法適用会社ラービグ株で減損処理、個別で特損計上
• 工作機械株： ６月の工作機械受注額は（速報値）前年同月比9.7％増
• サッポロＨ (2501): ３Ｄ、物件売却などが有効と提案－サッポロ株主に公開書簡
• ＧＳユアサ (6674): 25年度のれん償却前営業利益を460億円以上に引き上げ
• シャープ (6753): アオイ電子による半導体後工程の生産ライン構築推進で合意
• ハニーズＨ (2792): 連 通期 営利 -9.1% 69.70億円
• イオンディ (9787): 連 １Ｑ 営利 -5.2% 32.67億円
• ディップ (2379): 連 １Ｑ 営利 +20.4% 40.23億円
• ＵＳＭＨＤ (3222): 連 １Ｑ 営利 -95.0% 58.00百万円
• マルハニチ (1333): Ｃ＆Ｆロジ全株をＳＧＨＬＤのＴＯＢに応募、約67億円
• サカタタネ (1377): 「買い」に格上げ、目標株価は4100円－フィリップ証
• ＨＩＯＫＩ (6866): 中間及び通期 連 業績予想修正
  • 10億円上限に自己株取得へ
• プレス工 (7246): 「中立」に格下げ－東海東京
• カーブスＨ (7085): 連 ３Ｑ 営利 +44.0% 44.54億円
• 有沢製 (5208): ストラテジックＣの持ち分が8.2％に低下－変更報告
• ＷＮＩウェ (4825): 「アウトパフォーム」に格上げ－岩井コスモ証券
• キユーピー (2809): 「アウトパフォーム」に格上げ－ＳＭＢＣ日興
• 東邦ＨＬＤ (8129): ３Ｄインベストメント・パートナーズの株持ち分が上昇
• ワコールＨＤ (3591): ３Ｄインベストメント・パートナーズの株持ち分が上昇
• ホギメディ (3593): ＮＡＶなどの株持ち分が16.1％に上昇－変更報告
• トピー工業 (7231): 「中立」に格下げ－東海東京

＜本日の予定＞

【国内】

・６月の企業物価指数（日銀、８：50）

・2023年９月～24年５月期決算＝ＳＨＩＦＴ

【海外】

・ニュージーランド中銀が政策金利を発表

・６月の中国消費者物価指数（ＣＰＩ）

・６月の中国工業生産者出荷価格指数（ＰＰＩ）

・５月の米卸売在庫・売上高（23：00）

・パウエルＦＲＢ議長が米下院金融サービス委員会で証言（23：00）

・米エネルギー省の石油在庫統計（週間、23：30）

・ボウマンＦＲＢ理事が講演（11日３：30）

・クックＦＲＢ理事が講演（11日８：30）

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞