株式市場オーバーナイト概況(2024年4月11日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：セクターでは、金利上昇を背景に不動産が朝から下落、構成銘柄31社すべてが1%以上下落した。公益も同様に下落。住宅市場関連も金利高止まり懸念を背景に弱く、素材では塗料のSherwin-Williams (SHW)が-4.0%、一般消費財・サービスでは住宅建築のDr Horton(DRH)-6.4%、Lennar(LEN)-5.8%、PulteGroup(PHM)-5.2%がセクターの下げを主導した。情報技術やコミュニケーション・サービスもマイナスとなったが、Meta Platforms(META)は+0.6%、アナリストが目標株価を引き上げたNvidia(NVDA)が+2.0%と、ともに逆行高となった。一方で原油価格の上昇を追い風にエネルギーは小幅高で終了。

＜US時間外＞

◇上昇銘柄◇

RLYB(バイオテクノロジー): 胎児や新生児に影響を与える希少疾患の治療法の開発でジョンソン・エンド・ジョンソンと提携し、JNJのベンチャーキャピタル部門から660万ドルの株式投資を受けると発表

ALPN(治療薬開発): バーテックス、アルパイン・イミューンを買収へ－現金約49億ドルで

◇下落銘柄◇

特に目立ったニュースなし

＜日本株ADR＞

◇上昇銘柄◇

8358(スルガ銀) 中計を修正、FY2025を130億から170億へ

7731(ニコン) 24年度採用は745人を計画、過去最大

◇下落銘柄◇

9433(KDDI) 通期営業利益予想下方修正(9,500億）、市場予想の1.08兆円を下回る

＜本日の新聞見出し＞

▼NIKKEI Tech Foresight▼

・味の素、アミノサイエンスで事業創出　狙うは光電融合

・NAND価格、24年4〜6月期も上昇維持　台湾調査会社

・物材機構など、軟磁性合金から横型熱電材　環境発電

▼日本証券新聞▼

・ロート製薬　健康から医療までの総合企業へ　シンガポールの漢方薬企業買収

・カーブス　年初来高値更新　コロナからの回復、順調に進展

・原発関連　メンテにも注目　東京エネ、日本製鋼が高値更新

▼日刊工業新聞▼

・アイダエンジ、金型寿命予測　プレス向けDX支援

・輸出船　手持ち工事3年超　新燃料対応船に期待

・小糸、短距離LiDAR　「レベル4」対応　車載向け初受注

▼化学工業日報▼

・旭化成、国内開発で新拠点　EV向け電子部品　今夏稼働へ　2拠点集約、ラボ機能兼備

・超純過水　米テキサス倍増強　三菱ガス化学、来年央めど

・JX金属　半導体後工程金属材に展開　メッキ薬用化合物　年度内投入へ　前工程レベルの高品質品

・LCD部材 収益確保に苦戦　中国勢、偏光板を過剰生産　日系、OLEDなどに活路

・クラレ　溶剤MTHP　医薬品原薬の合成を効率化　国際指針ICH登録めざす

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は軟調な展開となりそうだ。想定以上に強い結果となった米国の3月CPI（前年比+3.5％vs予：+3.4％）を受けて、利下げ観測が後退、長期金利の上昇を嫌気して米主要3指数は下落した。対ドルでの円安加速は本来、輸出関連株への追い風だが、短期的には投資家センチメントの悪化を通じた売り圧力が勝るとみられる。SOX指数の下落（-1.7％）で半導体関連株も利益確定売りが進みそうだが、足元では半導体の設備投資関連のニュースが増加傾向にある。中期的な市場拡大への期待は続くと考えられ、優良株の過度な調整は、押し目買いの好機と考えたい。

〇バフェット・アプローチで有望株を探す

Nextバフェット銘柄に注目したい。話題性が強いバフェット氏の動向だが、①円債発行は日本株投資の前兆となってきた、②バフェット氏は割安株を狙うバリュー投資家だが長期的な稼ぐ力も重視している可能性が高い、③5月4日にはバークシャーの年次株主総会を控えるため、「バフェット銘柄」への注目度が増す可能性がある。双日（2768）やマクニカHD（3132）、再編期待などでは鉄鋼大手の日本製鉄（5401）に注目したい。

〇モンスター・バイバック（大規模な自社株買い）に期待

TOPIX採用企業の自社株買い発表（設定枠）は2023年度に10兆円を超え、過去最高を更新した。東証によるPBR改革を契機に、資本効率改善に対する上場企業の意識改革が進んだことが背景にあろう。3月期決算企業の本決算シーズンである5月は年間で最も自社株買い発表が多い月であること、日本企業のBSは依然として余剰資本であること、政策保有株縮減に対する外的圧力は今後も高まる可能性が高いことから、今年の5月の自社株買い発表は更に増加すると予想している。23年度は三菱商事（2月：5,000億円）を筆頭に大規模な自社株買い計画（モンスター・バイバック）を発表する企業が増加した。こうした企業群は、時価総額が大きく、PBRが低く、海外投資家保有比率が高く、余剰資本が多く、総還元性向が高いなどの特徴があった。資本効率改善への意識が高まっていると考えられる石油資源開発（1662）や、大日本印刷（7912）などに期待したい。

＜本日の予定＞

【国内】

・対外・対内証券売買契約（週間、財務省、８：50）

・３月のマネーストック（日銀、８：50）

・20年物国債の入札（財務省、10：30）

・３月の投信概況（投資信託協会、15：00）

・３月のオフィス空室率（三鬼商事）

・９～２月期決算＝ＳＨＩＦＴ、ファストリ

・東証グロース上場＝ハンモック

【海外】

・３月の中国消費者物価指数（ＣＰＩ、10：30）

・３月の中国卸売物価指数（ＰＰＩ、10：30）

・インドネシア、マレーシア、インド市場が休場

・欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会の結果発表

・岸田首相が米議会で演説

・米新規失業保険申請件数（週間、21：30）

・３月の米卸売物価指数（ＰＰＩ、21：30）

・ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が講演（21：45）

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞