株式市場オーバーナイト概況(2024年3月11日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●今週の相場
●今週の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：セクターでは、半導体中心に情報技術が下落。Broadcom(AVGO)は、AI関連が予想以上に強かったものの、それ以外が軟調で株価は-7.0%下落。Nvidia(NVDA)も昨日まで6日続伸、19%上昇した後で利益確定の売りが入り、-5.6%。SOX指数は-4.03%と昨年10月以来の下げ幅となった。生活必需品は、会員制倉庫型小売のCostco Wholesale(COST)が、昨夜の決算発表で売上と粗利が予想を小幅に下回ったことや、さらなる株価上昇のカタリストに欠けるとの懸念から-7.6%下落し、セクターを押し下げた。一方で、不動産が朝から上昇した他、エネルギーや公益もプラス引けとなった。

＜US時間外＞

NVIDIAが時間外で2.7％下落

◇上昇銘柄◇

GRPH(バイオテック): $1.03の特別配当を公表

RVNC(バイオ医薬品)：会社CEOが自社の株式を20万ドル強の買い増し

◇下落銘柄◇

CERO(細胞療法): 前日のAML患者に関する報告で上昇も、時間外では一転12％安

BITF(仮想通過マイニング): 1.4億株程度($3.75億ドル)のPOを発表

＜日本株ADR＞

◇上昇銘柄◇

7912(大日本印刷) 上限2,000万株・500億円の自社株買い公表

7832(バンナム) 水戸証が”中立プラス”に格下げ、PT 3,500円

◇下落銘柄◇

6146(ディスコ) SOX指数4％安で売られた模様、6857（アドテスト）も4％安

6723(ルネサス) フィデリティが5％超の保有を報告

＜本日の新聞見出し＞

▼日経産業新聞▼

・「原薬」の製造停止に学ぶ　第一三共、免振構造の倉庫新設　アステラスは世界統一BCP

・半導体研究、2ナノの先見据え　技術組合「LSTC」、開発・育成主導

・インドネシアでEV工場相次ぐ　中越独勢、優遇策受け投資

・日産や日立　停電時EVは「走る電池」

▼日本証券新聞▼

・ソースネクスト、S高　ポケトークが25年上場へ準備

・坪田ラボ、ストップ高　ロート製薬と許諾契約、今期赤字縮小へ

・経産省「曲がる太陽電池」優遇へ　ヨウ素の伊勢化学は急騰

▼日刊工業新聞▼

・東ガス、マンション買取　AI査定で最短7日

・基地局に「曲がる太陽電池」　KDDI、群馬で実証

・藤倉コンポジット　非常用マグネ空気電池　スマホ充電、水さえあればOK

▼化学工業日報▼

・シェールガス増産継続　相次ぐ買収劇　業界再編も進展

・三井化学　「加工技術」成長の源泉　「組み立て」まで広げ　全社に横串、新事業創出

・非晶質性球状シリカビーズ　化粧品向け本格展開　トクヤマ　欧州市場に照準　樹脂ビーズ代替を提案

▼日経MJ▼

・能登支える始まりは東日本　震災で「3ない」直前　事業発案　移動の足・休まる家届ける

・生成AIが相棒　消費者つかむ　アイデア出しや困りごと解決

・NFT、マーケティングの武器に　新たな価値、市場・ファン生む

＜今週の相場＞

今週の日本株相場は、底堅い展開を想定する。引き続き為替動向に注意する必要はあるものの、東証プライムの売買代金は高水準であるほかTOPIXはジリ高歩調をキープしている。グロース株が小休止する傍ら、バリュー株や出遅れていた内需株がしっかりの動きとなっており、物色意欲は衰えていないといえよう。日経平均株価は39,000円前後での値固めの動きとなりそうだ。

〇為替動向が上値を抑える場面も

一方、今週は日米で重要イベントが多く、米金利や為替動向に注目が集まろう。特に国内では春闘での労使交渉がピークを迎える。来週の日銀金融政策決定会合（18～19日）でマイナス金利政策解除の可能性が浮上するなか、大幅な賃上げが相次げば、為替市場で円高ドル安に反応しやすくなりそうだ。また、米国では前回に波乱相場のキッカケとなった消費者物価指数

（CPI）のほか、週末には小売売上高の発表も控えており、警戒感が高まる場面もあろう。もっとも、昨年12月の植田日銀総裁の“チャレンジング発言”を受け乱高下したドル円相場と比較すれば、足元の動きはまだ緩やかとなっている。また、主要輸出企業の想定為替レートは1ドル＝140～144円が多く、業績への影響も限定的と言えそうだ。

〇半導体関連イベントが相次いで開催予定

これまで相場を牽引していた半導体関連銘柄にも利益確定売りの流れが強まっている。米国が日蘭への半導体規制強化を要請したことも、投資家心理には重しとなろう。ただ、米国による半導体規制強化の流れは数年前から続いており、各企業もある程度業績や事業戦略に織り込んでいる。生成AIを軸にした業績成長に対する期待は今後も継続すると見ており、ディスコや信越化、応化工など、ナンバーワンの技術を持つ企業は押し目買いが奏功しよう。また、8日からは米国でテクノロジー等の祭典「サウス・バイ・サウスウエスト」が開催されている（~16日）。今回のイベントではAIを議題にしたパネルディスカッションが約1,500行われる予定だ。18日からはNVDA主催のカンファレンスイベントも控えており、それぞれ半導体各社の事業に対するコメントなどが注目されよう。

＜今週の予定＞

◇11日（月）　

・10～12月期国内総生産（ＧＤＰ）改定値（内閣府、８：50）

・２月のマネーストック（日銀、８：50）

・３月のＱＵＩＣＫ月次調査＜株式＞（11：00）

・２月の工作機械受注額（速報値、日本工作機械工業会、15：00）

・インドネシア市場が休場

・米３年物国債入札

◇12日（火）

・閣議

・２月の企業物価指数（日銀、８：50）

・１～３月期法人企業景気予測調査（財務省、８：50）

・５年物国債の入札（財務省、10：30）

・インドネシア市場が休場

・２月の英失業率

・２月の米消費者物価指数（ＣＰＩ、21：30）

・２月の米財政収支（13日3：00）

・米10年物国債入札

◇13日（水）

・春季労使交渉（春闘）の集中回答日

・２月の投信概況（投資信託協会、15：00）

・１月のユーロ圏鉱工業生産

・米30年物国債入札

◇14日（木）

・対外・対内証券売買契約（週間、財務省、８：50）

・20年物国債の入札（財務省、10：30）

・５～１月期決算＝エニーカラー

・７～12月期決算＝Ａバランス

・２月の米卸売物価指数（ＰＰＩ、21：30）

・２月の米小売売上高（21：30）

・週間の米新規失業保険申請件数（21：30）

・１月の米企業在庫（23：00）

◇15日（金）

・閣議

・３月のＱＵＩＣＫ短観（８：30）

・３カ月物国庫短期証券の入札（財務省、10：20）

・１月の第3次産業活動指数（経産省、13：30）

・２月の中国70都市の新築住宅価格動向（10：30）

・３月のニューヨーク連銀製造業景況指数（21：30）

・２月の米輸出入物価指数（21：30）

・２月の米鉱工業生産・設備稼働率（22：15）

・３月の米消費者態度指数（ミシガン大学調べ、速報値、23：00）

◇16日（土）

・北陸新幹線の金沢－敦賀間開業

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞