株式市場オーバーナイト概況(2024年2月8日)

【サマリー】
●Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)
●US時間外
●日本株ADR
●本日の新聞見出し
●本日の相場
●本日の予定
●本日の決算発表予定

＜Worldwide Index (主要指数＆コモディティ)＞

米国市場動向：情報技術が反発。太陽エネルギーのEnphase Energy(ENPH)はほぼ予想範囲内の決算を発表したが、底打ち期待で+16.9%。セキュリティソフトはFortinet (FTNT)が良好な決算を発表し、同業のPalo Alto Networks(PANW)もつれ高してセクターの上昇を主導した。一般消費財・サービスは、予想を上回る決算を発表したレストランチェーンのChipotle Mexican Grill(CMG)が+7.2%。同様に好決算を発表した自動車のFord Motor(F)も+6.1%。コミュニケーション・サービスはMeta Platforms(META) +3.3%、Alphabet(GOOG)+1.0%。一方で、生活必需品と不動産は小幅ながらマイナスで引けた。

＜US時間外＞

ソフトバンク傘下のアームが好決算発表で30％超の大幅高

◇上昇銘柄◇

ARM(半導体): 時間外で20％超の上昇。2024年1－3月(4Q)の売上高が8億5000万－9億ドルになるとの見通しを示した。アナリストの予想平均は7億7800万ドル

CFLT(ソフトウェア): 4Q総収益が予想を上回った

◇下落銘柄◇

SANA(バイオテック): 1.25億株の公募増資を発表

ACLS(半導体部品): 1Q売上予想がアナリスト予想より10％以上下振れ

＜日本株ADR＞

全体的には堅調に推移

◇上昇銘柄◇

4543(テルモ) 通期営業利益を1,400億円に上方修正。コンセンサス1,394億

9706(空港ビル) CLSAが”買い”に格上げ、PT 7,200円

◇下落銘柄◇

5201(AGC) 通期営業利益予想1,500億円、市場予想1,745億を下回った

7269(スズキ) CLSAが”ウェート上げ”に格下げ、PT8,200 → 8,000円

＜本日の新聞見出し＞

▼日経産業新聞▼

・リョービ、金型設計から一貫　ダイカスト、EVでも有用　解析技術生かし優位性保つ

・スズキのeチョイノリ、「ホンダ電池」より自転車用で安く

・タムラ製作所　SiC半導体向け電子部品

▼日本証券新聞▼

・任天堂、上場来高値　一転、増益・増配に上方修正

・NT倍率急降下の背景　銘柄構成の違い、如実に反映

・ユシロ化学、16年ぶり高値圏　自動車生産回復で大幅増益

▼日刊工業新聞▼

・グローバルサウス連携促進　経産省　大型事業補助　最大40億円

・TSMC、熊本に第2工場　新たにトヨタが2％出資

・重工3社、防衛事業拡大　予算増で受注伸長　売上高計画・人員増強に濃淡

▼化学工業日報▼

・化学大手7社の4～12月期　本格回復へ「踊り場」局面に　石化苦境も半導体底打ち

・水蒸気バリアフィルム　次世代PV用途開拓　クラレ　長期耐久性実現へ

・次世代低誘電ガラス量産　日東紡、郡山に新設備

＜本日の相場＞

本日の日本株相場は引き続き方向感に乏しい展開となろう。国内主要企業の決算発表が佳境を迎える中、本日もソフトバンクGや富士フイルム、NTTなど注目度の高い決算発表が相次ぐことから、全体的には手掛け辛さが残る。また、週末にマイナーSQの清算日を控えていることもあり、買い一巡後は先物主導で仕掛け的な動きも見られそうだ。一方、36,000円を下回る水準ではすかさず押し目買いが入っており、押し目買い意欲も根強いと見る。値上がり銘柄数が約半数に留まる一方、TOPIXコアは昨年来高値を更新しており、大型株に継続的な資金が流入している点が、投資家心理の支えとなろう。様子見姿勢が強まりやすい決算発表シーズンにも関わらず、東証プライムの売買代金が高水準をキープするなど、銘柄物色意欲も旺盛で、日本株はイベント通過後の上昇相場に向けた地ならしが進もう。なお、本日は内田日銀副総裁が奈良県で講演予定。3月の日銀会合に向けて要人発言に関心が高まる中、市場でも一喜一憂する場面が見られそうだ。

〇半導体業界を取り巻く良いニュースが相次ぐ

昨日は、半導体受託製造最大手のTSMCが発表した1月の月次売上高は前年同月比7.9％増と3ヵ月ぶりにプラスに転じた。AI半導体の需要が旺盛で、業界全体が回復基調を辿っていることが確認されており、素直に好感できよう。また、米国株市場で英アーム株が強気の業績見通しから時間外で急騰している点も、好感されそうだ。足元は、トヨタの好決算や三菱商の大規模な自社株買い計画、3月に向けた配当取りの動きなどを追い風に、バリュー株指数が連日で最高値を取る一方、グロース株指数は足踏みが目立つ。半導体界隈の明るいニュースをきっかけに、再びグロース株へ関心が高まるかが物色の裾野を見るうえでも注目されよう。

〇賃上げニュースが相次ぐ中、消費関連に注目

3月の春闘の集中回答日に向けて、企業の賃上げの話が目立ち始めた。インフレ指標が落ち着きを見せる中、消費関連企業にとっては、値上げが一巡する中、今後は販売量を増やせるかが業績を見る上で注目される。賃上げのニュースは消費拡大への期待につながることから素直に好感されよう。イオンやマツキヨなどの小売店のほか、JR東海などのコト消費関連にも注目。

＜本日の予定＞

【国内】

・対外・対内証券売買契約（週間・１月分、財務省、８：50）

・１月の貸出・預金動向（日銀、８：50）

・12月の国際収支（財務省、８：50）

・６カ月物国庫短期証券の入札（財務省、10：20）

・内田日銀副総裁が奈良県金融経済懇談会であいさつ（10：30、記者会見は14：30）

・１月の景気ウオッチャー調査（内閣府、14：00）

・１月のオフィス空室率（三鬼商事）

・４～12月期決算＝富士フイルム、住友鉱、セコム、カバー、日産自、ニトリＨＤ、ＮＴＴ、ソフトバンクＧ、ホンダ、芝浦、ＳＵＢＡＲＵ

・12月期決算＝ネクソン、ルネサス

・東証グロース上場＝Ｖｅｒｉｔａｓ　Ｉｎ　Ｓｉｌｉｃｏ

【海外】

・１月の中国消費者物価指数（ＣＰＩ、10：30）

・１月の中国卸売物価指数（ＰＰＩ、10：30）

・台湾、インドネシア、ベトナム各市場が休場

・インド準備銀行（中央銀行）が政策金利を発表

・チェコ中銀が政策金利を発表

・米新規失業保険申請件数（週間、22：30）

・12月の米卸売在庫・売上高（９日０：00）

（注）時間は日本時間

＜本日の決算発表予定＞